糖尿病男性の半数がEDに

[糖尿病男性の半数がEDに?]

(あなたの健康百科  2017年11月17日)


糖尿病は、進行すると失明や人工透析、足の切断といった恐ろしい事態を招く
病気だ。

確かにこうした合併症の怖さは意識しなければならないが、男性患者に
とっては「男性力」への影響も気になるところではないだろうか。

この度、欧州を中心とする研究グループが、糖尿病の男性では半数以上に
勃起不全(ED)があり、その頻度は健康な男性の約3.5倍に上るとの研究
結果を報告した。

詳細は、9月発行の医学誌「Diabetic Medicine」(2017;34:1185-1192)に
掲載されている。



<糖尿病患者の52%がEDと推算>
糖尿病患者においてEDがよく見られるが、その頻度は不明である。
今回、研究グループは、糖尿病患者におけるEDの相対的な有病率を明らかに
するため、2016年11月までに報告された1型および2型糖尿病患者のEDに
関する研究から145件を抽出し、統合的に解析した。

145件のうち、アジアでの研究が61件と最も多く、次いで欧州が48件、北米が
17件、アフリカが15件となっていた。
対象となった男性患者は合計8万8,577人で、平均年齢は55.8歳だった。

糖尿病の男性患者におけるEDの有病率は35~80%と、研究間の差が
大きかった。
それは、糖尿病の合併症についてのデータがないなど、各研究間でデータの
偏りがあることも要因だという。
そこで、それらの偏りを調整し、糖尿病患者におけるEDの有病率を算出した
ところ、全体で52.5%と推定された。



<1型よりも2型糖尿病でより高率に>
EDの有病率は地域によっても違いがあり、南米、オセアニア、アフリカでは
71~75%弱と高く、アジアで67.0%、欧州で53.6%、北米で34.5%となって
いた。

病型別のED有病率は、1型に比べて2型で有意に高かった。
推計では、1型のみ(12件)、2型のみ(70件)のED有病率は、それぞれ
37.5%、66.3%だった。

糖尿病患者と健康な男性を比較した研究は8件あり、糖尿病によりEDの
リスクが3.62倍に上昇することが示された。


研究グループは、「EDの男性は、心血管系の病気を発症するリスクや、
それによって死に至るリスクが高い。糖尿病の男性患者に対するEDの
スクリーニングが、心血管系の病気のリスク評価にもつながるだろう」と
コメントしている。




http://kenko100.jp/articles/171117004421/#gsc.tab=0





カテゴリー: し心臓疾患, だ男性科, と糖尿病(DM) タグ: パーマリンク