性同一性障害女性の放火事件<3>

[被告「一人で悩まずに相談していれば…」
                【性同一性障害女性の放火事件】<3>]

  (千葉日報  2017年9月17日)


自身もかつて交際相手の両親に性同一性障害を告げたところ「『二度と
会うな。あいつは気持ち悪い』と言われ絶縁状態だった」。

パートナーの両親も“運命”を背負うことになってしまう結婚。
「例えば親戚に娘の結婚相手を説明するとき負い目を感じてしまう。頭で
分かっていても周りには話せない」



「絶対にやってはいけない」とする大石被告の犯行について、「やり場のない
怒りを吐き出してしまったのではないか」と分析。


「性同一性障害の理解は周りの支援と自分の『一歩踏み出す力』が大事。
(被告人には)自分のセクシュアリティを心から打ち明けられていたのが彼女
しかいなかったのではないか」と推測し、「両親などに気兼ねなく話せたら、
今回のケースには至らなかったかもしれない」と話した。


法廷で大石被告の母親は「(性同一性障害を)カミングアウトできず、一人で
抱え込んでしまった。気づけなかったのがとても悔しい」と話した。
大石被告も「(女性に)本当のことを聞けば良かった。一人で悩まずに相談
していれば…」と声を詰まらせた。



<「支援に感謝」>
11日の最終意見陳述で大石被告は、女性らに対して「怖い気持ちを持たせて
しまった。自暴自棄になっていた」と反省。

逮捕されてから公判まで「家族や前職の職場の人から手紙などで支えて
もらった」と感謝し、「どんな形でも罪を償っていく。この事件のことを
毎日考え、一生忘れない」と誓った。



<性的少数者>
同性愛のレズビアンやゲイ、両性愛のバイセクシュアル、心と体の性が一致
しない性同一性障害といったトランスジェンダーなど。
頭文字をとってLGBTとも言われる。

電通が2015年に20~59歳の約7万人に実施した調査では、7.6%が該当した。

自治体による同性パートナーの証明書発行や、企業がLGBT社員を支援する
などの動きも出ている。

文部科学省は2015年、学校で性的少数者の児童生徒に対し、望む性別の制服
着用や、相談体制の整備などきめ細かい対応を求める通知を教育委員会に
出した。




https://www.chibanippo.co.jp/news/national/438843





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