ヒトアジュバント病

[ヒトアジュバント病]

(家庭医学館の解説)


豊胸術、鼻形成術(隆鼻術)などの美容整形または形成術のときに注入された
シリコンなどの異物が原因でおこる病気と考えられています。

いろいろな膠原病に似た症状がみられ、これらを一括してアジュバント病と
呼んでいます。

現われる症状から、膠原病に相当する病名をあてはめてみますと、もっとも
多くみられるのは強皮症で、ついで全身性エリテマトーデス(SLE/紅斑性
狼瘡)、関節リウマチなどです。

症状は、膠原病のそれぞれの症状とはっきりした区別がつきません。
それぞれの病気の項目を参照してください。

ただ、強皮症と診断されるような場合でも、アジュバント病の肺線維症や
腎臓障害などの内臓病変は、本来の強皮症と比べ軽いといわれています。

血液検査をすると、膠原病の各病気と同様に、抗核抗体などの自己抗体が
見つかります。



<治療>
治療は、原因と考えられる異物を除くことによって症状が改善しますので、
手術して異物を取り除くのが原則です。

ただ、それだけではよくならないこともあるため、そうした例には、
それぞれの病気(膠原病)の治療に準じた治療が行なわれます。

一般的には、関節炎などの炎症には、非ステロイド抗炎症薬や、ときには
ステロイド薬が使われます。

重いレイノー現象は、血管拡張薬などで治療します。

肺線維症(間質性肺炎)や腎臓の障害によって高血圧などがひきおこされた
場合は、免疫抑制薬や強力な降圧薬などで治療します。

経過は、本来の膠原病に比べればよいようです。



(小学館家庭医学館)



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