ジャンヌ・ダルクと結核

[ジャンヌ・ダルクと神の声] 英国の精神科医Ratnasuriyaは英国王立医学雑誌に、ジャンヌダルクの 神の声は「側頭葉でんかん」であり、その原因は「結核腫」の形成にあった のではないかという仮説を提唱しました。 その根拠として、ジャンヌはもともと乳搾りであり、牛から結核に感染する ことが現在でも稀ではないこと、ジャンヌが火刑台で処刑された時、彼女の 心臓と腸が焼け残ったのは腸管結核と結核性心膜炎による石灰化があった ためではないかと言うのです。 さらに、ジャンヌが痩身で無月経であったという同時代の記録についても、 結核による悪液質が原因ではないかとしています。 Ratnasuriyaによれば、インド等の途上国では結核に伴う側頭葉でんかんは 稀ではなく、これらの国々では預言者として尊敬を集めることもあると しています。 結核菌はヒトの免疫システムをすり抜ける術を持っている。 そのためヒトの免疫システム vs 結核菌の戦いは長期戦になることがある。 そこでヒトの免疫システムは、結核菌の壊滅を諦め、結核菌に感染した部分を 防御壁で取り囲む方法に作戦変更することがある。 これが「肉芽腫」である。 防御壁をより強化するためかどうかは不明であるが、「肉芽腫」の周囲に 石灰化が生じることがある。 [出典・引用]早川智著:源頼朝の歯周病 [参照]   基礎免疫学 (横山歯科医院・横山哲郎)    
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