女性に多い「第3の狭心症」

[ご存じですか? 女性に多い「第3の狭心症」] (家庭の医学) <ニトロが効きにくい> 狭心症といえば、心臓の冠動脈が狭くなって、心筋に十分な血液を送れなく なったときに生じるもの。 一般に男性に多い病気とされています。 しかし、更年期の女性によくみられる息苦しさなど胸部症状のうち、1割 ほどに通常のタイプとは特徴の異なる狭心症があるということがわかり、 注目を集めています。 狭心症といえば、プラークという脂質がたまることで血管が狭くなる 労作狭心症、血管はきれいなのに、けいれんして狭くなってしまう 冠攣縮性狭心症の2種類がよく知られています。 これらは、ニトログリセリンが有効です。 そのため、ニトログリセリンが効かない胸痛は、狭心症ではないと診断されて きました。 ところが、第3の狭心症といわれるこのタイプは、ニトログリセリンが 効きにくく、非常に細い血管に起こります。 通常、狭心症は冠動脈という太い血管に起こるのに対し、第3の狭心症は、 心臓の筋肉の中を通る細い血管でけいれんが起きます。 このことから、微小血管狭心症と呼ばれています。 微小血管狭心症では、胸の圧迫感、針で刺されるような痛み、息がつま るような痛みなどが起こります。 通常の狭心症とは異なり、症状が長時間続くものの、発症の間隔が長いのも 特徴です。 3か月に1回、あるいは1年に1回しか起こらない場合もあります。 さらに、閉経前後の更年期の女性に多いのも特徴です。 早い人では30歳代で発症し、多くは60歳代後半で発作が起きています。 この時期は、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減少して、心臓の細い 血管が収縮してけいれんしやすくなることが原因と考えられています。 微小血管狭心症は、冠動脈がつまるわけではないので、ただちに命にかかわる ことはありません。 しかし細い血管のつまりは、カテーテルを使った血管造影検査などでは診断が むずかしく、病院を転々とすることになってしまうおそれも。 また、女性の場合、心筋梗塞を発症すると、重症化しやすく死亡率が高い こともわかっています。 何か異常を感じたら、早めに循環器科や女性外来を受診してください。 正しい診断がつけば、多くはカルシウム拮抗薬が有効です。 なお、タバコは微小血管狭心症の高い危険因子なので、禁煙は不可欠です。 また、糖尿病があると動脈硬化が進みやすく、微小血管狭心症の危険性が 高くなるので、血糖のコントロールはいうまでもありません。 (監修:目黒西口クリニック院長 南雲久美子/2013年4月5日) http://sp.kateinoigaku.ne.jp/kiji/120846/No tags for this post.
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