痛みを感じにくい? 大人のむし歯の特徴は

[痛みを感じにくい? 大人のむし歯の特徴は] (家庭の医学  2017年6月9日) <年に一回は歯科検診を> 大人が歯を失う原因といえば、歯周病が真っ先に思い浮かびます。 しかし、むし歯も大きな原因のひとつであることをご存じでしょうか。 大人のむし歯は、進行がゆっくりで痛みを感じにくいという特徴があります。 むし歯とは、細菌(ミュータンス菌など)が歯垢となり、そこで作り出される 酸によって、歯がとける病気です。 むし歯になると外側のエナメル質が削られ、内側の象牙質がむき出しになり ます。 象牙質には細い管が並んでいますが、食べ物がその中に入り神経を刺激すると 歯が痛み出します。 子どもはエナメル質がまだ弱いので、むし歯になったときは急激に痛みます。 しかし、大人はすでにエナメル質がしっかりしているので、むし歯はゆっくり 進行します。 そのため、大人のむし歯は痛みを感じにくいのです。 できる場所も子どもとは異なります。 子どもは、上下の歯がかみ合う場所(咬合面)にできやすいのですが、大人は 前に治療したことのある歯にできやすいのが特徴です。 詰め物やかぶせ物がしてある歯でも、治療から年数がたつと劣化します。 そのため、詰め物やかぶせ物と歯の間にすき間が生じ、そこに細菌が侵入して しまうのです。 また、加齢とともに歯ぐきが下がると、歯と歯の間にすき間ができてきます。 このすき間は汚れが溜まりやすくケアがしにくいので、むし歯ができやすく なります。 さらに歯ぐきが大きく下がると、歯の根元の部分にもむし歯ができてきます。 それまで歯ぐきに隠れていた象牙質がむき出しになるので、むし歯になり やすいのです。 さらに、治療によって神経を抜いている歯は、むし歯になっても痛みを感じ ません。 そのため、気づいたときには、抜歯が必要なほど悪化していることも少なく ありません。 では、大人のむし歯はどのようにして防げばいいのでしょうか。 やはり歯みがきは一番の予防法です。 できれば朝・昼・晩、食事のあとはしっかり歯みがきをしましょう。 ただし、力を入れすぎると、歯や歯ぐきがすり減ったり傷ついたりする原因に なるので注意してください。 しかし、どんなに丁寧にみがいても、歯ブラシだけでは、しっかり汚れは 落とせません。 デンタルフロスや歯間ブラシで、歯と歯の間に食べかすが残らないように します。 加齢とともに唾液の分泌量が減ることも、大人のむし歯を増やす要因になり ます。 唾液は食べかすなどを洗い流すほか、殺菌作用もあるので、唾液が減ると むし歯の元となる細菌が増殖しやすくなります。 唾液の分泌を促すために、歯ごたえのある食材を取り入れて、日ごろから よくかむ習慣をつけましょう。 舌や口の周りの筋肉を動かす体操をする、シュガーレスやキシリトール入りの ガムをかむこともよいでしょう。 大人の場合、痛みを感じたときには抜歯が必要というように重症化している ことも少なくありません。 歯に異常を感じなくても、少なくとも年に一回は歯科医を受診するようにして ください。 (監修:松下歯科医院院長 松下和夫) http://sp.kateinoigaku.ne.jp/kiji/124473/                      No tags for this post.
カテゴリー: む虫歯(デンタルカリエス) パーマリンク