併用禁忌に! ワルファリンとミコナゾール

[併用禁忌に!ワルファリンとミコナゾール]

(あなたの健康百科  2017年3月27日)


<相互作用について薬剤師に相談を>
厚生労働省は、2016年10月にアゾール系抗真菌薬のミコナゾール(経口薬
及び注射薬)について、ワルファリンカリウム(以下、ワルファリン)との
併用を禁忌とするよう添付文書(使用上の注意)の改訂を指示しました。
どういうことなのでしょう。


ワルファリンは抗凝固薬の一種で、血栓が血管に詰まる血栓塞栓症の治療や
予防に使われます。
最近、患者が増えている心房細動が原因の心原性脳塞栓症や、深部静脈血栓症
による肺塞栓症(エコノミークラス症候群)の予防などに広く使われて
います。

血液を固まりにくくする働きがあるため、脳出血などの臓器内出血や粘膜
出血、皮下出血といった副作用があります。

また、ワルファリンにはほかの医薬品や栄養素との併用で作用が増強され
たり、減弱されたりする相互作用もあります。
たとえば、ワルファリン服用中に、納豆、青汁などビタミンKの多い食品を
とると効果が減弱されてしまうため、これらの食品は控える必要があります。


一方、ミコナゾールは抗真菌薬で、口腔ガンジタ症や肺真菌症、そして水虫
などの治療に使われます。

ミコナゾールはワルファリンの代謝を妨げる性質があるため、併用すると
ワルファリンの効果が増強され、副作用の出血が起こりやすくなります。
こうした副作用は、ときに深刻な事態を招くこともあるので、十分に注意
しなければなりません。


2013年以降、ミコナゾールとワルファリンを併用した際の出血関連症例が
41例報告されたため、併用を禁忌とする添付文書(使用上の注意)の改訂
指示が出されたのです。


薬の相互作用は他の薬剤でも報告されています。
うっかり併用してしまうことのないよう、ワルファリンを服用している人は
そのことを医師や薬剤師に必ず伝え、使用しているほかの薬に相互作用の
心配がないかどうか確認してもらいましょう。

ワルファリンは、服用に際して相互作用も含めていくつか気をつける点が
あるものの、古くから使われ、薬の値段も安いため、多くの人に利用されて
います。
医師や薬剤師の指示を守っていれば安全なので過剰に反応して自己判断で
服用をひかえたりせず、気になることがあれば医師や薬剤師に相談して
ください。



(監修:東京医科大学病院 総合診療科准教授 原田芳巳)



http://sp.kateinoigaku.ne.jp/kiji/124317/






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