京大、葉を食べるサルの謎解明 苦味を感じないように進化

[京大、葉を食べるサルの謎解明 苦味を感じないように進化]

(産経新聞  2017年3月13日)


テングザルなど葉っぱだけを食べるサルの仲間「コロブス」は、苦味の感覚が
鈍いことを京都大霊長類研究所などの国際研究チームが明らかにした。
苦い葉を食べて生きていけるよう進化した結果とみられる。

東南アジアなどに生息するコロブスは、ニホンザルなど雑食性のサルとは
異なり、葉だけを食べることが知られている。

そこで研究チームは、苦味物質として知られる有機化合物フェニルチオ
カルバミド(PTC)に対するコロブスの反応などを詳しく調べた。

薄く切ったリンゴにPTCを浸して与えると、雑食性のサルのマカクは全く
食べなかったのに対し、コロブスは多くが食べた。

コロブスの糞からDNAを採取し、PTCで苦味を感じるための受容体という
タンパク質の機能を調べたところ、ほとんど反応がなかった。
遺伝子の系統解析の結果、進化の過程で徐々にこの受容体の機能が失われた
ことが判明した。

苦味の感覚は毒を避けるため動物が培った本能といわれる。

霊長類研の今井啓雄准教授(分子生物学)は「コロブスが持つ解毒機能や
他の苦味感覚についても調べ、特殊な食性のメカニズムを分子レベルで解明
したい」としている。



(黒田悠希)




http://www.sankei.com/life/news/170313/lif1703130021-n1.html





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