パーキンソン病の予防には日光浴がいい

[パーキンソン病の予防には日光浴がいい?]

(MEDLEY  2016年4月12日)


<中国での調査から>
最近の研究から、脳神経におけるビタミンDの役割が注目されています。

そこで中国の研究チームが、新規パーキンソン病患者における、血中ビタミン
D濃度、直射日光およびビタミンD摂取との相関関係を調査しました。



<400名を対象に、パーキンソン病発症とビタミンDの関連を調査>
今回紹介する論文の著者らは、201名の新規パーキンソン病診断患者と
パーキンソン病を発症していない199名の対照群を調査しました。
ビタミンDの指標として血中25ハイドロキシビタミンDの量を測定し、
ビタミンD摂取と直射日光に当たった時間に関しては、自己報告アンケートを
用いて行いました。

日光に含まれる紫外線は、皮膚においてビタミンDを活性型に変える働きが
あります。



<パーキンソン病患者は血中ビタミンD濃度が低い>
著者らは、以下の結果を得ました。
健常対照者と比較して、パーキンソン病発症患者では、血中25ハイドロキシ
ビタミンD濃度(20.6 ± 6.5 ng/mL)、1日当たりビタミンD摂取量
(8.3 ± 3.7g/日)、および直射日光暴露(9.7 ± 4.1時間/週)が有意に
低かった(p <0.05)。


つまりパーキンソン病発症患者では血中ビタミンD濃度が低く、ビタミンD
摂取が少ないのに加え、体内ビタミンD合成の鍵となる直射日光に当たる
時間も少ない傾向がありました。

なお著者らの調査から、血中25ハイドロキシビタミンD濃度と直射日光は
相関関係がありましたが、血中25ハイドロキシビタミンD濃度とビタミンD
摂取についての相関は観察されませんでした。

著者らは、「この研究は、低レベルの血中25ハイドロキシビタミンDと
直射日光暴露が、有意にパーキンソン病発症リスク増加と関連する事を示して
いる」と述べています。



特に食べ物による摂取よりも、直射日光に晒されることの方が、ビタミンDの
量との関連が強いようです。
適度な外出が、脳神経に対し良い影響を及ぼすのかと思われます。

ただしパーキンソン病発症で外出が困難になり、その結果として直射日光に
晒される時間が減った可能性もあります。

具体的な仕組みは分かりませんが、興味深い結果です。




https://medley.life/news/item/57073d9d6425e721008b478c





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