子どもによる誤飲事故:薬がたばこを抜きトップ

[生後6カ月から2歳の子供は特に注意! 薬の誤飲]

(あなたの健康百科  2016年02月16日)


<厚生労働省が注意喚起>
子供による薬の誤飲事故が後を絶たない。
昨年12月の消費者安全調査委員会による報告によると、5歳以下の子供による
薬の誤飲事故は年間8,433件に上る。

特に生後6カ月から2歳児で多発し、薬の種類によっては重い中毒症状を
もたらすことも。

こうした事態を重く見た厚生労働省は2月9日、定期的に公開している
『医薬品・医療機器等安全性情報』で、子供による薬の誤飲事故防止対策を
あらためて紹介した。
主に医療関係者に向けた情報だが、幼い子供を持つ親も知っておきたい内容と
言える。
その一部を紹介する。



<菓子と間違えて多量に誤飲する例も>
長年、家庭内での子供による誤飲事故はたばこによるものが最多だったが、
昨年(2015年)3月に同省が発表した2013年度の調査では、薬がたばこを
抜きトップとなった。
昨年12月の消費者安全調査委員会による報告書でも、2014年の1年間だけで
5歳以下の子供による薬の誤飲事故は8,433件に上る。

そこで同省は、主に医療関係者に向けて定期的に公開している『医薬品・
医療機器等安全性情報』で、子供による薬の誤飲事故を防ぐための対策や、
誤飲してしまった場合の対応などをまとめ、改めて注意を呼びかけた。

特に『安全性情報』で強調されているのは、子供の年齢や発達段階によって
変化する行動の特徴を理解することの重要性だ。
誤飲事故は身近にある物を何でも口の中に入れようとする生後6カ月頃から
起こりやすくなり、特に自分で包装をあけて薬を取り出せるようになる
1〜2歳児で最も危険性が高まる。

そこで、子供を持つ保護者は、以下に挙げる成長に応じた事故の特徴を理解
した上で、薬を子供の手の届かない場所に保管するなどの対策を講じる必要が
あるとしている。


<6カ月前後~1歳半 「身近にあるものを手に取り何でも口に運ぶ」>
口に入れることが想定されていない塗り薬等でも誤飲する。
包装ごと口に入れて噛んだり、袋を噛んで破いたり、金属チューブを噛んだり
する等、通常の取り出し方でない方法で医薬品を誤飲する傾向がある。


<1歳(特に1歳半頃)~2歳
           「周囲への興味や関心が高まり人の模倣をする」>
足場を使って高い場所にある医薬品を取り出す。
大人用の医薬品を誤飲する。
包装容器を通常の取り出し方で開けて飲む。


<おおむね2歳以降 「興味をもって好んで手に取る」>
甘く味付けした水薬等を多量に誤飲する。
剤形がチュアブル、ドロップ、ゼリー等の医薬品を菓子と間違えて多量に
誤飲する。

(平成27年12月18日 消費者安全調査委員会「子供による医薬品誤飲事故」)


万が一、子供が誤飲してしまった場合には、子供の状態や薬の名前、飲んだ
量を確認し、直ちに「小児救急電話相談(#8000)」などの相談機関に連絡
するか、必要に応じて医療機関を受診することを推奨。
迅速かつ適切に対応すれば、重症化を回避できる可能性が高まるとしている。


なお、誤飲による重い中毒症状の危険度が特に高い薬とされているのは、
精神疾患の薬や気管支拡張薬、血圧や血糖を下げる作用のある薬など。
こうした薬を服用している家族がいる家庭では、特に注意が必要と言えそう
だ。



http://kenko100.jp/articles/160216003795/#gsc.tab=0




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