アトピー性の病気と貧血に関連はあるか?

[アトピー性の病気と貧血に関連はあるか?]

(MEDLEY  2016年1月22日)


<アメリカの子供たちでの調査>
アトピー性の病気には、炎症などの特徴があり、それらは貧血に関連性がある
ことが指摘されています。

そこで、アトピー性の病気と小児の貧血について調査が行われました。



<データベースから小児のデータを使用>
アトピー性の病気とは、免疫の異常が関連している病気を指します。

アトピー性の病気について、米国国民健康調査から207,007人、国民健康栄養
調査から30,673人の小児のデータを使用しました。
そこから、アトピー性の病気とされる湿疹、喘息、花粉症、食物アレルギーに
ついて報告があるかを調査しました。



<アトピー性の病気と貧血との関連性>
データから次の結果が得られました。

NHISの多変量解析では(主な結果を調整オッズ比[95%CI]として記す)、
湿疹(1.83;1.58-2.13)、喘息(1.31;1.14-1.51)、花粉症(1.57 ;
1.36-1.81)、食物アレルギー(2.08;1.71-2.52)が、貧血のオッズが
高かった(すべてP<.001)。NHANESでは、喘息(1.33;1.04-1.70;
P=.02)および湿疹(1.93;1.04-3.59;P=.04)の現病歴が貧血、特に小球性
貧血(喘息;1.61;1.09-2.38;P=.02;湿疹:2.03;1.20-3.46;P=.009)の
オッズが高いことと関連したが、花粉症の病歴は貧血とは関連性が認められ
なかった(0.85;0.62-1.17;P=.33)。


この研究では、湿疹、喘息、食物アレルギーに、貧血との関連性が見られ
ましたが、花粉症については、2つのデータで異なる結果となりました。

このデータでは、アトピー性の病気を持つ小児には、貧血の心配があるのか、
貧血だからアトピー性の病気にかかるのかは判別できません。

ただ、アトピー性の病気と貧血に関連性が認められたということは、今後の
診断、予防に役立つかもしれません。



http://medley.life/news/item/569f4b37bd4caa3c008b45b5



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