[コメディアン 加藤茶さん 大動脈解離(6)
血管壁に亀裂 激痛、緊急入院]
(読売新聞 2015年12月28日 )(一病息災)
62歳で狭心症とわかり、動脈硬化を起こしている血管部分を広げる手術を
した。
「先生に生活の改善を助言されたけど、一人暮らしだから守らなかったんだ」
翌年、名古屋で公演終了後、飲んで深夜、ホテルに帰ると、胃の周辺に激痛を
感じた。
丸太で殴られたような痛みが、背中、肩と全身を走り回るように襲った。
高熱も出て、一睡も出来なかった。
帰京して、しばらく我慢していた。
半月後、こらえきれず病院に行った。
検査した主治医は、直ちに大学病院への入院を指示。
「救急車で運ばれる途中で意識を失った。それから2週間、生死の境を
さまよった」
大動脈の内膜が裂ける「大動脈解離」だった。
長年の不摂生で、もろくなった血管壁に亀裂が生じ、本来1本の流れが2本に
なっていた。
破裂すれば即死することもある。
だが、手術ができなかった。
狭心症で、血液を固まりにくくする薬をふだんから飲んでいた。
手術すると出血が止まらなくなり、死んでしまう。
薬が抜けるのを待ち、緊急入院から5日目、手術に踏み切った。
心臓を停止させて、脳にだけ血液を流した状態で行われ、
約10時間に及んだ。大動脈の解離した部分が、人工血管に置き換えられた。
「自分は生かされている、と感じました。お客さんに喜んでもらう使命が、
まだあったからかな」
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