ALSの発病前の食生活:コレステロールが少なく、BMIも小さい

[ALSと食事に関係はあるのか? BMI、脂質の違い]

(MEDLEY  2015年8月28日)


<オランダ、患者674人の調査から>
ALS(筋萎縮性側索硬化症)の原因ははっきりわかっておらず、予防法は
知られていません。

食事やBMIとの関連があるかどうかを調べるため、ALS患者の発病前と、
ALSではない人を比較する研究が行われました。



<患者674人、対照2,093人を比較>
研究班は、オランダのALS患者674人と、ALSではない人(対照)の2,093人
から食事内容199項目の聞き取り調査を行い、ALSが発病する前の食事、
BMI(体重÷身長の2乗)に違いがあるかどうかを調べました。



<カロリーは多いがBMIは小さい>
調査データの統計解析から次の結果が得られました。
前症候期の総エネルギー摂取量は、対照に比べてALS患者で有意に高く(平均
2,258、標準偏差730 vs 平均2,119、標準偏差619 kcal/日、P<0.01)、
前症候期のBMI(体重/身長の2乗、kg/m2)はALS患者で有意に低かった
(平均25.7、標準偏差4.0 vs 平均26.0、標準偏差3.7、P=0.02)。

オッズ比として報告された値については、発病前の総脂肪摂取量(1.14、
95%信頼区間1.07-1.23、P<0.001)、飽和脂肪酸摂取量(1.43、1.25-1.64、
P<0.001)、トランス脂肪酸摂取量(1.03、1.01-1.05、P<0.001)、コレステ
ロール摂取量(1.08、1.05-1.12、P<0.001)が多いことはALSのリスク減少と
関連していた。


ALSの発病前は、対照と比べて摂取カロリーが多く、BMIが小さいことが
見られました。

また、食事から摂取する脂質、なかでも飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、
コレステロールが多かった人は、その後ALSが発病することが少なくなって
いました。


これらの特徴に、ALSとの因果関係があるかどうかはわかりませんが、共通の
原因などによって説明できれば、ALSが発病するしくみを解明する助けになる
かもしれません。



http://medley.life/news/item/55dd3df7d25efa8c0514c32a




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