ミトコンドリア・イブと父子鷹

[ミトコンドリア・イブと父子鷹]


「父子(親子)鷹」はスポーツファンやマスコミが好きなフレーズですが、
ほとんど存在しません。
それはミトコンドリアが母系遺伝するからです(別項参照)。


瞬発力を生み出す白筋(ミトコンドリアが少ない)は父親からも遺伝します。
私の友人に、アマチュア相撲チャンピオンの息子がいます。
全く運動をしませんが、大学時代の体力測定で、背筋力が250kg以上、気分が
盛り上がると300kg以上でした。

いくら瞬発系のスポーツでも、練習を続けるには持久力が必要で、良い
ミトコンドリアが重要になります。

ところが、持久力を担うミトコンドリアは母親からしか遺伝しません。
父子鷹として有名なハンマー投げの室伏父子ですが、母親がオリンピック
やり投ルーマニア代表選手ですから、母子鷹です。


野球界をみてみると、野村父子や落合父子など父子鷹が難しいことが判り
ます。
長嶋父子は、父子鷹として相当成功した部類に入ります。


ミトコンドリアに注目すれば、原辰徳監督と菅野智之投手は同じ
ミトコンドリアを持っていることになります。
原辰徳監督のミトコンドリアは、祖母から母親に伝わって、母親から
原辰徳監督へ伝わって来たわけです。
同じミトコンドリアは、祖母から母親に伝わって、母親から原辰徳監督の妹を
経由して菅野智之投手に伝わっています。


各分野のスカウトは、有名男子選手の息子ではなくて甥っ子に注目した方が、
掘り出しものに出会う確率が高いと思います。

競馬も同様に父子鷹に期待し過ぎ、すなわち父系血統に傾倒し過ぎだと思い
ます。
注目すべきは、母親と母方の祖母、祖母の母方の曽祖母・・・・になります。
仮に競争馬として成績が物足りなくても、母方の祖母、祖母の母方の
曽祖母・・・・が優秀であったならば、繁殖牝馬として残すべきだと思うの
です。
良いミトコンドリアは持っているけれど、たまたま練習ぎらいだったかも
知れないし、競い合うのが性に合わなかったかも知れないからです。
成績の良かった牡馬の姉や妹が仮に成績不調であったとしても、良い
ミトコンドリアを持っている確率が高いので、繁殖牝馬として期待できます。

スポーツ新聞には、競走馬の
 ・父
 ・母
 ・母の父
が載っていますが、
 ・父の母
 ・父の母の母
 ・母の母
 ・母の母の母
が注目されるようになった時に、海外のレースでコンスタントに勝てるように
なるのだろうと思います。




(横山歯科医院・横山哲郎)


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