豪で気温によって性別を変えるトカゲを発見

[豪で気温によって性別を変えるトカゲを発見!
                     気候変動の影響でメスが増加]

(IRORIO  2015年07月03日)


オーストラリアに生息するトカゲが、気温によって孵化する前に性を変えて
いることが、科学雑誌natureに発表された。



<気温が高くなればメスの割合が増える>
研究を行ったのは、キャンベラ大学のクレア・ホーリー氏らの研究チーム。
彼らは野性のビアードドラゴンを観察した結果、気温によって孵化するまでの
間に卵の中で性転換が行われていることを発見する。

しかも気温が暖かくなれば、メスの割合が多くなり、ビアードドラゴンが
温度調節機能から遺伝子のコントロールシステムまでを、素早く変化させて
いることが判明した。

このことは野性のどんなトカゲにも見られない現象で、今回世界で初めて確認
されたことになる。



<性転換したメスの子供には性がない>
また発表によれば、一度性転換をしたメスが通常のオスとつがいになる時、
子供たちは性の染色体を持たないという。
そのため性別は完全に、卵を孵化させる期間の温度によって決められる
ようだ。

また性転換したメスは通常のトカゲよりも2倍も多く卵を出産し、そこから
生まれた子供たちは、さらに性別を変化させる傾向が強いとされる。



<地球温暖化が大きな影響を与えている>
大切な点は地球温暖化との関連だ。
実際に現在、野生のビアードドラゴンではメスの割合が多くなっていると
いう。

ホーリー氏は報告の中で「今回の研究は、気候に敏感なトカゲのゲノムや
生態を変化させる上において、温暖化が潜在的な役割を果たしていることを
証明しています。また急速な地球の気候変動によって、他の生物もどのように
適応していくのかを示唆しています」と語っている。


特殊な環境によって性を転換させる生き物は多く知られているが、気候変動
でも素早く変化するとは、人間の責任を感じつつも生き残りをかけた生物の
逞しさを痛感させられる。

豪で気温によって性別を変えるトカゲを発見!気候変動の影響でメスが増加

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