[ビタミンD補充でパーキンソン病は予防できるのか?]
(MEDLEY 2015年7月1日)
<7件 2万7千人のメタアナリシス>
パーキンソン病の原因はわかっていませんが、ビタミンDの不足でリスクが
増えるという説があります。
中国の研究班が、パーキンソン病とビタミンD不足の関係について過去の
文献を集めて検証した結果、ビタミンDが不足した人がビタミンDを補充
したときにパーキンソン病のリスクが少なくなっていたとまとめました。
<ビタミンD不足の影響について>
研究班は、ビタミンDが不足した人でパーキンソン病のリスクに違いが
あるか、またビタミンDを補うことで変化があるかを調べるため、過去の
文献の検証と統合を行いました。
<補充でリスク減少>
次の結果が得られました。
電子文献検索を手動の検索で補い、2015年3月までを検索した結果、
採用条件を満たす7件の研究が見つかり、5,690人のパーキンソン病
患者と21,251人のマッチングされた対照群がそこに含まれていた。
ビタミンD補充はパーキンソン病リスクの有意な減少と関連していた
(オッズ比0.62)。
7件の研究を統合した結果、ビタミンDが不足していた人がビタミンDを
補充したとき、パーキンソン病のリスクが少なくなっていました。
研究班は「これらの結果は、ビタミンDとパーキンソン病のリスクの間の
関連をよりよく検証するために、より大きい、適切にデザインされた研究を
行うための刺激となるかもしれない」と結論しています。
この研究はビタミンDが正常範囲にある人について調べたものではなく、
またパーキンソン病が発症してからの治療についてのものでもありません。
さらに、ビタミンDが過剰になった場合には有害な作用があることも知られて
います。
予防効果があるとすれば有益な研究につながるかもしれませんが、どのような
場合が当てはまり、ビタミンDをどのように使うのが適切かはあわせて考える
必要があるかもしれません。
http://medley.life/news/item/5592510070bc21aa01e77f1e