松本ハウス 統合失調症(6)解散10年「もう一回、一緒にやりたい」

[一病息災 お笑いコンビ 松本ハウス 統合失調症(6)
                解散10年「もう一回、一緒にやりたい」]

(読売新聞  2015年5月28日)


閉鎖病棟で加賀谷は7か月間、入院した。
初め1か月間は、24時間監視の一人部屋「保護室」で過ごした。

大部屋に移ってから時々、元の相方がどうしているか考えた。

コンビの仕事を突然失った松本は、ピン芸人や俳優で暮らしていた。


退院後は、実家で引きこもりの生活になった。
心の支えは、芸人復帰の夢だけ。
かけづらかったが、退院3か月で、松本に電話した。
「まあ、のんびりやれよ」と松本は言ってくれた。

その後、2人は年に何回か電話で話した。
しかし、再会までには5年がかかった。
加賀谷は髪の毛を伸ばし、体重が30キロも増えていた。
解散で迷惑をかけたので、コンビ復活のお願いは言い出せなかった。

それから間もなく、新薬を飲み始めた。
「これまでは人と話していても、水中で話しているような感じでしたが、
頭がクリアになり、はっきりと会話できるのがわかりました」
両親も驚くほどの回復ぶりだった。

芸人復帰を本気で意識した。
引きこもり生活から抜け出し、105キロに太った体を元に戻すため、毎日
きまじめに5時間歩いた。
社会復帰の訓練にと、いくつもアルバイトをした。


解散から10年の2009年、加賀谷はついに電話で松本に言った。
「もう一回、一緒にやりたいんです」

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