キシリトールは虫歯を予防しないかもしれない

[キシリトールは虫歯を予防しないかもしれない]

(Medエッジ  2015年4月3日)

<さまざまな研究の有効性を分析した結果>
天然の甘味料、キシリトールは虫歯を予防しないかもしれないという分析
結果が出てきた。

英国のマンチェスター大学歯学部を含む研究グループが、世界的な
プロジェクトであるコクラン共同計画が発行するコクラン・データベース・
オブ・システマティック・レビューのオンライン版で2015年3月26日に
報告した。

<研究の公平性も分析>
キシリトールは砂糖より歯のダメージが少ない天然の甘味料として、ガム、
歯磨きペースト、せき(咳)止めキャンディ、お菓子などに広く使用され、
虫歯を作る細菌の成長を妨げるとも考えられている。

世界的に子どもの最大90%、および大人でも大部分が虫歯の歯を持っている。

研究グループはさまざまなデータベースから、キシリトールを含む製品が
虫歯に及ぼす効果を評価した10件の試験結果(参加者合計6000人近く)を
解析した。
研究グループは、著者にも連絡をしながらデータを拡充。

結果の偏りを解消するためのバイアス(公平性に欠けること、偏り)リスクも
考慮しながら試験結果の有効性を分析した。
例えば、キシリトールの虫歯予防効果を意図的に良く見せたり、悪く見せたり
する試験は除外できるようにした。

<イメージもろい?>
結果として、10件の試験結果のうち結果の偏りが少ないと見なせたのは1件
のみで、2件は結果の偏りについては不明、残り7件は結果の偏りが大きいと
判断された。

コスタリカの2件の試験(13歳以下の子ども約4200人が対象)で、
キシリトール添加歯磨きペーストは、添加していない歯磨きペーストと
比べると、3年間に13%虫歯が少なかったという結果があったが、証拠の
質としては低く、この集団に限られた結果の可能性があった。

他のキシリトール含有製品では、利益を示す証拠はほとんど、あるいは
全くなかった。

キシリトールには膨満感や下痢、下剤作用があるが、一部の研究では副作用に
ついて報告していなかった。

虫歯に良いというイメージももろいものなのかもしれない。

http://www.mededge.jp/a/eeee/11210

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