痛風とは

[痛風]

(Wikipedia)


痛風は、高尿酸血症を原因とした関節炎を来す疾患。
名称は、痛み(発作の箇所)が風が吹く様に足・膝・腰・肩・肘や手など
全身の関節・骨端を移動し、尚且つ風が強くなったり穏やかになったりする
様に痛みが酷くなったり和らいだりを繰り返すことから命名された。


痛風を発症する患者では、少なくとも非発作時には血液検査での高尿酸血症が
見られるが、25%の患者で発作時に尿酸値が正常である。



<原因>
高尿酸血症の患者にきっかけが加わると発症する。
何がきっかけなのか明確ではないことも多い。

白血球群のうち、特に好中球が尿酸結晶を攻撃(捕食活動)を行うことが
広く知られている。
好中球による尿酸結晶捕食活動が激化すると、その活動による過大な
エネルギーや、尿酸を抱え込んで死亡した好中球の遺骸そのものによる影響
などから、血管壁がダメージを受けて大きな炎症を発生する。
当然に、当該部位周囲の神経組織をも相当に刺激し、患者は「内側からの
激痛」を感じることとなる。


また、血中含有尿酸の濃度が急激に低下した場合においても、痛風発作が
生じることが知られている。

これは、好中球が攻撃対象である尿酸結晶の行方を急激に見失うと、対象を
探し続けて活動を激化させることによるためとも言われているが異論も多く、
血中尿酸値急降下時の明確な発作システム自体の解明はなされていない。

疫学的には、血中尿酸値の上昇とともに血中尿酸値の急降下も、痛風発作の
要因であることは広く知られており、痛風発作時における尿酸生成阻害剤や
尿酸排出促進剤などの服用は禁忌とされていることが多い。


必ずしも恒常的な高尿酸血症患者がすべて痛風発作を起こすわけではなく、
そのメカニズムは解明しきれていないが、よく知られている発作のきっかけと
しては、脱水症状に伴う急激な尿酸値の変動、物理的衝撃による結晶の剥落、
不適切なタイミングでの尿酸コントロール薬の投与、激しすぎるスポーツ
などが考えられている。
アルコールの痛飲はアルコール代謝に水が回ることで起こる脱水症状に加え、
乳酸と尿酸の競合による尿酸排出の遅れによって尿酸値を激しく変動させ、
翌日朝に痛風を起こすきっかけとなることが多いともされる。

高尿酸血症の患者でも痛風を起こさないケースは少なくないため、米国では
高尿酸血症の患者に尿酸値を下げる薬を処方しない。



<疫学>
患者の90%以上が男性。
最近の疫学的研究によると、アルコールは痛風のリスクを高めるが、特に
ビールは最もリスクが高い(ただしプリン体は比較的少ない)。
ワインは飲んでも痛風のリスクを高めない。

尿酸とはプリン体と呼ばれる物質の代謝産物であり、プリン体を多く摂取
すると高尿酸血症、さらには痛風の引きがねとなると考えられる。
肉のみならず魚に含まれるプリン体も痛風のリスクを高めるが、野菜に
含まれるプリン体(麦芽、豆類に多い)は高めない。

また、フルクトース(果糖)は急速に代謝されてアシドーシスを引き起こし
やす、酸性下で尿酸が析出しやすくなるため、フルクトースを構成体に持つ
砂糖の多いドリンクを週5〜6杯飲む場合やフルクトースを含むフルーツ
ジュースの摂取も痛風のリスクを増大させる。

近年、高尿酸血症に関わる遺伝子が各国(含日本)で発見されている。

そのほか、精神的ストレスや水分摂取の不足も発症の引きがねとなる。

特に水分摂取の不足に関しては、日常的に意識して水分を多めに取り、
血中尿酸濃度を(排尿によって体外に出す事で)低く保つことが勧められて
いる。





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