かつてツツガムシ病は、秋田や新潟にだけ見られた風土病だった

[全国に蔓延する「ツツガムシ病」。アウトドアブームも一因か!?]

(週刊SPA!  2014年9月25日)


エボラ出血熱やデング熱のニュースで感染症への危機感が高まる昨今。
実はわれわれ日本人の身近なところにも、多くの感染症が存在する!!



<アウトドアブームも一因!?  “風土病”が全国に蔓延<ツツガムシ病>]
「ツツガムシ病は油断できませんよ。昨年5月も、秋田県では15年ぶりに
1人が亡くなりました。アウトドアブームで野山に入る人が増えているから
注意が必要です」こう警告するのは、秋田県健康福祉部健康推進課の職員だ。


ツツガムシ病は、「オリエンティア・ツツガムシ」という病原体を持つ
ツツガムシ(ダニの一種)の幼虫に刺されて感染する。
クチバシを皮膚に突き立てて、約10時間をかけて人の組織をゆっくりと
消化し、体液を吸う。

刺された人は体がだるくなり、頭痛や悪寒、40℃前後の熱に苦しみ、上半身に
直径2~3mmの発疹が現れる。

このとき治療が遅れると、数か月の入院。
また、最悪の場合は死に至る。
治療をしない場合の致死率は30%とも言われている。


かつてツツガムシ病は、秋田や新潟にだけ見られた風土病だったが、1970年
前後には年間患者数は10人にまで激減した。

だが1980年代から急に全国で再興。
多い年には1000人近く、昨年も338人を記録した。

これは、1970年代までは「アカツツガムシ」が病気を媒介していたのだが
(古典型ツツガムシ病)、1990年代に入ってタテツツガムシやフトゲ
ツツガムシが媒介する「新型ツツガムシ病」が現れたためだと言われている。

国立感染症研究所感染症情報センターの岡部信彦・前センター長はこう語る。
「自然破壊や農地開発、アウトドアブームの影響で、これらの虫に接触する
機会が増えたこともツツガムシ病流行の一因かもしれません。これまで一部
地域の風土病と思われてきたので、感染してもなかなか診断できないのが問題
です」

診断されない患者は統計の10倍はいると推測する研究者もいる。


この病気はどうすれば防げるのだろうか? 
前出の健康推進課職員はこうアドバイスしてくれた。
「感染防止のワクチンはありませんし、防虫スプレーも効果はありますが
万全ではない。アウトドアでは長袖に長ズボン。帰宅したらすぐに着替える
こと。家族に感染しないように、衣類はすぐに洗濯して、お風呂に入る。
それを習慣づけることですね」



<ツツガムシ病>
・日本人患者数338人(2013年)
・感染経路ツツガムシを媒介として
・致死率7%(未治療30%)




http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140925-00709771-sspa-soci




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