アルコールとビタミンB1の関係

[お酒を飲むことで不足しがちな栄養素 ビタミンB1]

(カラダカラコラム)


アルコールを摂ることで不足しやすいビタミンB1。
ビタミンB1は、アルコールに含まれる糖分を分解し、エネルギーに変える。
アルコールは、大量のビタミンB1を消費する上に、吸収も妨げてしまう。

ビタミンB1が不足すると、疲労が溜まり、疲れやすくなる。
最悪の場合、ウェルニッケ脳症という恐ろしい病気にかかってしまう。

ビタミンB1は牛肉、木の実、豆類、米ぬか、ハム、オレンジなどに含ま
れる。

比較的、外食などでも摂りやすい食品が多いのだから、お酒を飲む時は、
積極的にビタミンB1を含む食事を心がけよう。



<アルコールとビタミンB1の関係>
アルコールを代謝するときに、大量のビタミンB群が消費されます。
その中でも、最も不足しやすいのがビタミンB1。

ビタミンB1は、アルコールに含まれる糖分を分解し、エネルギーに変える
働きがあります。


アルコールを飲むことで、大量のビタミンB1を消費した上、アルコールが
ビタミンB1の体内への吸収を妨げてしまうため、ビタミンB1が不足して
しまうのです。

重度のアルコール依存者は、ほとんどB1欠乏状態にあるといわれます。
 


<ビタミンB1のはたらき>
ビタミンB1の主な働きは、糖質を分解し、エネルギーに変えることです。

また、神経のビタミンとしても知られ、脳の働きを活発にして、精神を安定
させる働きも持っています。

さらに、疲労物質である乳酸の分解を促進して、疲労回復をはかる大切な
栄養分でもあります。


アルコールに関して言えば、アルコールを飲むことによってできる有害物質、
アセトアルデヒドを、肝細胞の酵素と協働して、酢酸に変え、体外に排出する
働きがあります。


1日の所要量は、成人男性で1.1mg、成人女性0.8mgです。
食品で言うと、トンカツ約1人前、うなぎのかば焼約2串分くらいです。
 


<ビタミンB1が不足するとどうなるの?>
ビタミンB1が不足すると、糖分をエネルギーに変えることができなくなり
ます。
糖質が分解できないと、血液中に乳酸やピルビン酸などの疲労物質が溜まり
ます。

乳酸が溜まると、疲労感が取れず、疲れやすくなってしまいます。


また、ピルビン酸が多量に蓄積してしまうと、神経炎を起こします。

その中でも恐ろしいのが脳の脚気とも言われる脳脊髄変質症(脳症)です。

これにアルコールによる中枢麻痺が加わると、ウェルニッケ脳症が起こり
ます。
ウェルニッケ脳症とは、眼球運動の障害、全身運動の失調、睡眠異常、さらに
幻覚や虚言症などで錯乱し、精神的異常をきたす病気です。

少し前までは欧米特有の病気でしたが、近年になって、日本でも急激にウェル
ニッケ脳症が増えてきました。

もともと、ビタミンB1は不足しがちな栄養分であるため、予備軍を
含めると、250万人もの方が、この病気にかかる可能性があるとも言われて
います。
 


<ビタミンB1を多く含む食べ物って??>
ビタミンB1の、最良の供給源は、乾燥ビール酵母。
その他の代表的なものでは、豚肉、牛肉、木の実、豆類(大豆製品を含む)、
米ぬか、ハム、オレンジなどに比較的多く含まれています。

しかし、ビタミンB1は水溶性なので、水に溶け出してしまいます。
水洗い、水にさらす、冷凍を解凍する、加熱するなど、通常の調理でも、
食品が持つ元々の約25%が失われるとも言われています。

失われやすく、不足しやすい栄養分だからこそ、より多く食べるように
しましょう。
つまみや外食でも比較的摂りやすい食品に含まれている栄養素なので、
意識的にビタミンB1を多く含む食品を選ぶようにするといいでしょう。
 



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