悪玉コレステロールの概念 そもそも欧米には存在しない

[「悪玉コレステロール」の概念 そもそも欧米には存在しない]

(2014年9月2日)


「血圧147は健康か」──健康診断の基準について論争が続いている。

かつて70万人を対象とした調査をもとに新健康基準を発表し、このたび
『「血圧147」で薬は飲むな』(小学館刊)を上梓した東海大学医学部
名誉教授の大櫛陽一氏が、コレステロールや中性脂肪についても言及する。


現在の健康基準では「LDLコレステロール」(いわゆる悪玉コレス
テロール)は「60~119㎎/dl」であり、これよりも高い場合は「異常」と
判断されます。

中性脂肪も「30~149mg/dl」となっており、日本動脈硬化学会のガイド
ラインでは「150mg/dlよりも高いと異常とされ、300mg/dlを超えたら
投薬」と定められています。

しかし血圧同様、世界的にはこのようガイドラインこそが「異常」なのです。


LDLコレステロール値に関して言えば昨年、国際的基準が「190」にすべて
統一されましたし、中性脂肪に関しても6年前に「1000」という日本とは
ケタ違いに緩い基準がもうけられています。


そもそも欧米には日本でいわれている「悪玉コレステロール」などという
概念はありません。
様々な研究結果で、コレステロールや中性脂肪は数値が高い方が長生きを
しているという結果が出ており、身体に必要なものとして認識されています。

事実、アメリカでは「降下目標」も廃止されました。


多くの方が気にされている「メタボ」に関するBMIの基準もおかしなところ
だらけです。

日本のBMIは「18.5~24.9」とされていますが、国際基準で「肥満」と
されるのは30以上。
つまり、本来は「正常」とされている人が、ローカルルールで強引に
「肥満」にされているという状況なのです。

しかも、多くの研究で、最も死亡率が低いのは「25~26.9」。
逆に高いのは「18.5未満」という結果がでています。

つまり、日本では「メタボ」とされる方が長生きというまったく逆の結果が
でているのです。



飲む必要のない危ない薬を飲まされないためにも、「基準範囲」を参考にして
いただき、医師の言葉だけではなく、自分の頭で考えて判断をすることを
おすすめします。


(SAPIO 2014年9月号)


http://www.news-postseven.com/archives/20140902_269800.html




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