女性も睡眠時無呼吸症 顎がほっそりしている女性は要注意

[女性も睡眠時無呼吸症 「太った中年男性」だけでなく] (東京新聞  2013年12月3日) 就寝中に呼吸が何度も止まり、日中の眠気に加え高血圧など生活習慣病の 悪化も招く睡眠時無呼吸症候群(SAS)。 患者の2〜3割は女性とされるが「太った中年男性の病気」というイメージが 強いため、かなり見逃されている可能性もある。 専門医によると、女性では閉経後に体重が増えた人のほか、顎がほっそりして いる人も要注意。 大きないびきを注意されたり、強い眠気が気になったりしたら、早めに医療 機関を受診しよう。 <ホルモン影響か> SASの大部分は、寝ている時に、のどの空気の通り道である気道がふさがって 起きる。 代表的な原因は肥満だ。 首周りに脂肪が付いて気道が狭くなったところへ、あおむけで寝ると、重力の 影響で舌の付け根部分がのどの方へ落ち込む。 こうした経過が多い。 疫学調査から、SASは国内に少なくとも200万人いると推定されている。 睡眠総合ケアクリニック代々木(東京)の井上雄一理事長は「正確な男女比は 不明だが、男3〜4に対し女1くらいではないか。男性が多い理由として 考えられるのは、気道が女性より長いなど体の構造の違い。また、女性は閉経 する更年期以降、男性との発症率の差があまりなくなることから、ホルモンの 影響も疑われている」と話す。 最近は「病気が広く知られ抵抗感が減ったためか、小顎、細顎の若い女性の 受診が増えてきた」という。 <家族指摘で発見> 20代後半の女性もそうした1人。 結婚後、夫の指摘で初めて自分のいびきを知り、SASと診断された。 顎がほっそりしているため、寝ると舌が収まりきらずに気道をふさいでしまっていた。自分では全く気づかなかったという。 SAS発見のきっかけは、大半が家族や一緒に旅行した友人からの指摘だ。 大きく不規則ないびきが続き、何度か呼吸が止まって、のどから「カカッ、 カカッ」などと苦しそうな音が聞こえることが多い。 自覚症状としては、 ・いくら寝ても疲れが取れない ・昼間に眠気が強い などがよくある訴えだ。 確定診断には一晩入院し、10秒間の呼吸停止が1時間に何回あるかを測定。 他の症状と併せてSASと診断される。 <治療はCPAP> 治療で最もよく使われるのは「CPAP(シーパップ)」という器具。 鼻に装着するマスクから一定の圧力を加えた空気を送り込み、気道がふさがる のを防ぐ方法だ。 ある女性(59)は更年期以降、体重が10キロ増えてSASを発症。 CPAPを装着する治療を始めたところ、高血圧の改善も見られたという。 「肥満の人は減量によって症状が改善することもあるが、太っていない人は 基本的に継続した治療が必要」と井上さん。 ほかに、顎と舌を前方に固定し気道を広げるマウスピースを装着する方法も あるが、顎の関節や歯に問題があると使えない。 CPAPもマウスピースも健康保険が適用される。 こうした診療を受けるにはSASに詳しい専門機関を訪ねる必要がある。 日本睡眠学会は9月現在で全国に95ある学会認定医療機関をHPに掲載。 2008年からSASの啓発などに取り組むNPO法人・睡眠時無呼吸症候群ネット ワーク(SASネット、事務局・東京)もHPに情報を載せている。 SASネットの伊藤康子事務局長(63)は「男性を中心にSASの認知度はかなり 上がったが、特に更年期以降、自分のリスクも上がることをきちんと理解して いる女性は少ない。今後は女性が自分の睡眠に関心を持つような啓発に力を 入れたい」と話している。 (共同・吉本明美) http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/health/CK2013120302000174.html            No tags for this post.
カテゴリー: いびき症/睡眠時無呼吸症, か噛み合わせ(咬合),   女性科(婦人科) パーマリンク