細身の睡眠呼吸障害患者はアルツハイマー病因子を既に持っている

[細身の睡眠呼吸障害患者は、
      初期のアルツハイマー病因子を既に持っている:アメリカ大学]

(IRORIO  2013年05月21日)


睡眠呼吸障害(SDB)がある細身の人は、初期のアルツハイマー病(AD)の
バイオマーカーを持つ可能性があるという。

ニューヨーク大学のDr.Ricardo S. Osorio率いる研究グループは64〜87歳の
認知症ではない高齢者たちに、2晩モニターを装着して睡眠時の呼吸状態を
観察、合わせてアルツハイマー病の兆候についての診断を行った。

調査結果は、米国胸部学会の2013国際会議で発表される予定。


その結果、アルツハイマー病と睡眠呼吸障害には相関関係があり、とりわけ
細身の人(BMI25以下)には顕著な傾向があると判明した。

やせ型患者においては、睡眠呼吸障害の程度は脳脊髄液中のPタウタンパク
質の量と関連した。
タウタンパク質はアルツハイマー病患者の脳内に異常な形成が見られる物質。

短期記憶を司る海馬のサイズにおいても、やせ型SDBの患者は同体型でSDB
ではない人より小さい。

また長期記憶に関わる内側側頭葉と、機能は不明ながらも後部帯状皮質の
両領域で、グルコース代謝が落ちることも判った。

BMIが25以上ある肥満のSDB患者では、内側側頭葉でグルコース代謝の低下を
認めたが、他のADに関連するバイオマーカーは発現しなかったという。


Dr. Ricardoはこの結果のみでは因果関係を決定するに至らないとし、次の
研究を見据えている。
彼らは睡眠呼吸障害の治療に、エアを送り続ける装置(CPAP)を2年間使う
ことを提案、使用前後のアルツハイマー病のバイオマーカーを調べて、その
効果を測りたいとしている。



http://irorio.jp/yuukashimoda/20130521/59428/




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