緑茶、コーヒーの脳卒中リスク低減の可能性

[緑茶、コーヒーの脳卒中リスク低減の可能性]

(HealthDay News  2013年3月14日)


緑茶またはコーヒーを毎日飲むことで脳卒中リスクが低減する可能性がある
ことが日本の研究で示された。
国立循環器病研究センター(大阪府)の小久保喜弘氏は、「生活習慣を容易に
改善できない人は、脳卒中予防のため緑茶を毎日飲むとよい」と述べている。

コーヒーや茶にこのような効果のみられる理由は明確にされていないが、
小久保氏は、血液凝固を抑制する特性によるものではないかと述べている。

緑茶には抗酸化・抗炎症作用のあるカテキンが含まれている。
また、コーヒーに含まれるクロロゲン酸などの物質は2型糖尿病の発症率を
低下させることにより脳卒中リスクを低減する可能性があるという。
さらに、コーヒーに含まれるカフェインはコレステロール値や血圧に影響を
及ぼすほか、インスリン感受性に変化をもたらし血糖値に作用すると考え
られている。

米国心臓協会(AHA)の元会長であるRalph Sacco氏は、この種の研究
からは、コーヒーや茶を飲んだ結果として脳卒中リスクが低減したかどうかは
明確にはわからないと指摘する一方、「これまでにも複数の研究でコーヒーや
茶が脳の健康に有益な効果をもたらすことが示唆されており、健康を改善する
重要かつシンプルな食事法があることを示すエビデンスが蓄積されつつある」
と述べている。

この報告は、「Stroke」オンライン版に3月14日掲載された。


今回の研究では、45~74歳の男女約8万3,000人を対象にデータを収集。
緑茶およびコーヒーを飲む量のほか、通院記録、死亡診断書、心疾患および
脳卒中による死亡のデータを追跡した。
平均13年の追跡の結果、1日に1杯以上コーヒーを飲む人は脳卒中リスクが
約20%低いことが判明。
また、1日に2~3杯緑茶を飲む人はほとんど飲まない人に比べ、脳卒中
リスクが14%低く、4杯以上飲む人では20%低かった。
出血性脳卒中のリスクは、コーヒーを1日1杯または緑茶を1日2杯飲む人
では32%低かった。
出血性脳卒中は、脳卒中全体の約13%を占めるという。

この所見がコーヒーおよび茶に関連するものであることを確かめるため、
今回の研究では年齢、性別、体重、喫煙、飲酒、食事および運動などの因子も
考慮されている。


なお、緑茶を飲んでいた人は、飲まない人に比べ運動をする比率が高かった
と、研究グループは指摘している。



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