エナジードリンクやスポーツドリンクが若者の歯を浸食

[エナジードリンクやスポーツドリンクが若者の歯を浸食]

(HealthDay News  2012年5月2日)


スポーツドリンクおよびエナジードリンクが、強い酸性によって歯のエナメル
質を浸食し、若者の歯に不可逆的な損傷をもたらすとの報告が、医学誌
「General Dentistry(一般歯科学)」5/6月号に掲載された。

研究著者である一般歯科学会(AGD)のPoonam Jain氏は、「若者はこの
ようなドリンクがスポーツの成績やエネルギーレベルを向上させ、また清涼
飲料よりも『体によい』と信じて飲んでいる」と述べている。


今回の研究では、スポーツドリンク13種類およびエナジードリンク9種類の
酸性度を分析。

その結果、銘柄により、また同銘柄でも味によって酸性度に大きなばらつきが
あることが判明した。

酸による歯への影響を評価するため、ヒトの歯のエナメル質の標本を
それぞれの飲料に15分間浸した後、人工唾液に2時間浸し、このサイクルを
1日4回、5日間繰り返した。

「5日後にはエナメル質の損傷が顕著となり、エナジードリンクによる損傷は
スポーツドリンクの2 倍であった」と研究グループは報告している。

一方、米国飲料協会(ABA)は「この研究では、抜歯した臼歯のエナメル質の
薄片を用い、液体に長時間浸しているが、人は液体を15分間も口に含み、
それを5日間にわたって行ったりはしない」と反論。
また、「この実験では。唾液が酸の中和を助けるヒトの口腔内環境を再現
できていない」と付け加えている。

さらに、「食物や飲料への曝露以外の因子(口腔衛生、生活習慣および
遺伝)も歯の浸食に影響を及ぼす」とABAは指摘している。


米国ではティーンの30~50%がエナジードリンクを摂取し、62%が少なく
とも1日に1本を飲んでいるという。

AGDのJennifer Bone氏は、このようなドリンク類の摂取を最小限に留める
よう助言するとともに、飲んだ後は口腔内の酸性度を正常に戻すために無糖の
ガムを噛むか、口をすすぐよう勧めている。

また、こういったドリンクの摂取後は、歯の表面に酸を広げないよう、1時間
以上待ってから歯を磨くべきであるという。



http://www.healthdayjapan.com/




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