「なんだ、俺の酒が飲めないのか」 大学生のアルハラ対策

[「なんだ、俺の酒が飲めないのか」 
               大学生にあの手この手で「アルハラ」対策]

(産経新聞  2012年5月1日)


新年度が始まって1カ月。
新歓コンパが盛んに行われる季節を迎え、大学やNPOなどがあの手この手で
アルコールハラスメント(アルハラ)対策に取り組んでいる。
無理な飲酒や一気飲みは急性アルコール中毒で死に至ることも。
ユーモアグッズやコンパの届け出制度などでアルハラを撃退中だ。
(佐々木詩)


「お酒を無理に飲ませないで」-。
関西大学(大阪府吹田市)のキャンパス内にある掲示板には、動物の
かわいらしいイラストとともにこんな文字が書かれている。
薬物問題などに取り組むNPO法人「ASK」(東京都中央区)が作成した
アルハラなどの防止を訴えるポスターだ。
同大学では、入学式直後の先月5日、大阪府小売酒販組合吹田支部などと
共同で、新入学生に向けにチラシ約2000枚も配布した。

大阪市立大学(大阪市住吉区)では、アルハラ対策として希望者にアルコール
パッチテストを実施。
体質的にアルコールを受け付けない場合にはレッドカード、弱い場合には
イエローカードを渡し、飲み会で飲酒を強要されたときにすばやく提示できる
ようにしているという。

佐賀大(佐賀市)では、昨年1月からサークルのコンパを届け出制にした。
同大学では2年前、ラグビー部の男子学生が一気飲みなど飲酒の後に死亡した
過去がある。
届け出用紙は無理な飲酒はしない旨の誓約書にもなっており、代表者が署名。
新入生歓迎コンパが多い4月は19件の届け出があった。
さらに同大学では、断りづらい学生の“お助けグッズ”として、「アルコール
NGバッジ」を作成。
「未成年用」「体質的に飲めない用」の2種類を用意し、「強要しないでね」
などの文字がプリントされている。
入学式の際に学生らに配布したという。


アルハラの困ったところは、飲酒を断ると場をしらけさせてしまうのでは
ないかと気にしてしまうこと。
「酒が入り陽気になっている雰囲気を壊すんじゃないか」「先輩に『なんだ、
俺の酒が飲めないのか』などといわれる」などの声も寄せられていた。


そこでASKは、笑いを交えて酒を断れるようなユーモラスなグッズを作成。
思わずくすっと笑ってしまううちわなどのアイデアグッズは希望者に配布
され、学生の人気を呼んだ。

今年は新たにスマートフォン向けの無料アプリを作成。
カラスやヤギの口元のイラスト画像で、キーを操作すると「体質的に
飲メェ~ません! 無理ヤギ飲ませないで」などのメッセージ音声が流れる。

ASK代表の今成知美さんは「グッズを会社や学校で普段から使ってもらえば
『そうか、あいつは酒が苦手か』とわかってもらえるし、アルハラ啓発にも
つながる」と話している。




http://sankei.jp.msn.com/life/news/120501/bdy12050112380001-n1.htm




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