慢性胸焼けをもたらす酸逆流が歯にも損傷与える

[慢性胸焼けをもたらす酸逆流が歯にも損傷与える]

(HealthDay News  2012年3月8日)


慢性の胸焼けの原因となる胃食道逆流性疾患(GERD)では、食道を逆流した
酸が口腔内に流入し、歯に重大な損傷を与えることが新しい研究で明らかに
なった。

GERD患者を6カ月間追跡した結果、同疾患を有する患者のほぼ半数では
健常者に比べ、歯の摩耗および侵食がはるかに悪化しており、最終的に歯が
薄く鋭くなり、孔があくこともあることが明らかになった。

GERDは酸逆流症としても知られ、酸を含む胃の内容物が食道内に漏れ、
口腔内に逆流し、灼熱痛を引き起こすことも多い。


米テネシー大学健康科学センター(メンフィス)修復歯科学准教授のDaranee
Tantbirojn氏らは、GERD患者12例を対象にオプティカル(光学式)
スキャナーを用いて慢性の胸焼けの影響を調べ、健常者6例と比較した。
慢性の胸焼けがある患者の一部は薬剤を服用していたにもかかわらず歯の
侵食がみられた。

6ヵ月間の長期追跡を行った研究は今回が初めて。

Tantbirojn 氏は「どの人口集団においても一般的にみられるGERDが、歯の
損傷を引き起こすという認識を高めたい。歯科専門医が歯の侵食を認識して
いても、一般の人は知らない。胃酸は、歯の表面を直接溶解させたり、歯の
表面を柔らかくするほど強力である。唾液は優れた身体の防御メカニズムを
備えており、緩衝能力で酸を中和すると同時に、少量のカルシウムおよび
リン酸を含み、歯の損傷を低減できる。しかし、唾液にも限界がある」と
述べている。

同氏は、酸逆流エピソード直後に歯磨きをしないで、フッ化物で口内洗浄する
ことを勧めている。

歯科医は、酸逆流症患者用の特別な練り歯磨きの処方、歯を保護するために
酸逆流エピソード後にベーキングソーダまたは制酸薬を服用するよう患者に
勧めることができるという。

別の専門医は「口腔内の酸の減少にキシリトールガムも有効である」として
いる。


研究結果は、米国歯科医師会誌「Journal of the American Dental
Association」3月号に掲載された。



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