女性と病気 線維筋痛症:2 薬が効かず心療内科へ

[女性と病気 線維筋痛症:2 薬が効かず心療内科へ]

(朝日新聞  2011年9月2日)


原因不明の激痛に襲われた熊本市の吉田裕子さん(40)は、総合病院の膠原病
内科に通いながら、ステロイド剤や鎮痛薬を飲んでいた。

2002年10月、かかりつけ医が見つけた新聞記事で「線維筋痛症」という
病名を知った。


さっそく、総合病院の医師に記事のコピーを見せた。
「先生、こんな病名、知ってますか」
すると医師は「まあ、それも視野に入れて・・・・・」とはっきりしない
返答をしながら、近くの書庫から厚さ20センチほどの医学書を持ってきた。

医学書には米国リウマチ学会が1990年に決めた診断基準があった。
 (1)広範囲に痛む
 (2)肩や腰、ひざなど全身に18カ所ある「圧痛点」を指で押すと
    11カ所以上が痛む
 (3)痛みが3カ月以上継続する
この3つの基準を、すべて満たしていた。

「線維筋痛症ですね」
医師は医学書を片手に淡々と言った
「特効薬はないので、とりあえず、主流という漢方の鎮痛薬と抗不安薬を
使いましょう。ステロイドはやめましょう」

吉田さんは「何にしても病名がわかった。これから治療が始まるんだ」と
安堵した。


内臓の機能に異常がないことを確認しながら徐々にステロイド剤を減らして
いき、2003年2月、完全にやめた。
直後から思わぬ体調不良が加わった。
胃腸炎とインフルエンザに続けて感染し、2週間も食事がほとんど取れない。
1年間使ったステロイド剤の副作用で体重が17キロ増えたが、今度は3週間で
15キロも減った。
新しい薬でも、痛みはまるで改善しなかった。


2カ月後、総合病院の医師は「一度、心療内科に行ってみませんか」と
言った。
線維筋痛症は、うつ病のような精神疾患を合併する例がある。
「『僕ではもう診られない』と、さじを投げられたのだな」と感じた。


心療内科への通院は、気が進まなかった。
でも、「いろんな先生にかかってみたほうがいい」と意を決し、個人
クリニックを受診した。

診察後、医師から「うつ状態は全然ない。痛みがどこから来るのかわからない
けど一緒に薬を探しましょう」と言われ、初めて信頼感を覚えた。
しかし、期待とは裏腹に体調悪化のスピードはさらに加速していった。




http://www.asahi.com/health/ikiru/TKY201109010209.html?ref=reca




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