口唇裂と葉酸

[口唇裂]

(gooヘルスケア)


<どんな病気か>
口唇裂とは、口唇に披裂が生じて生まれてくる赤ちゃんの病気です。

人の顔は、母親の胎内でいろいろな突起(顔面隆起)が組み合わされてできて
くるため、その途中ではすべての人がいろいろな披裂をもっています。
口唇裂では、出生するまでに口唇の部分の披裂がなくならなかった状態
(口唇がくっつかなくなった状態)をいいます。
ですから、人はすべて口唇裂の状態だったといえますし、どんな人の子どもも
口唇裂になる可能性があります。



<口唇裂と口蓋裂の合併>
口と鼻を隔てている上あごに披裂が生じて生まれてくる場合を口蓋裂といい
ます。

口唇裂、口蓋裂は両側裂、片側裂、また完全裂、不完全裂などさまざまな
種類があり、両者が合併していることが少なくありません。

また、小顎症、心疾患などをもっている場合もあるので、他の病気の合併の
有無についてのスクリーニングが必要になります。



<原因は何か>
母体の環境的要因、遺伝的要因の両方が複雑に組み合わされて起こると
いわれています。



<治療の方法>
初回の手術だけでなく、出生直後から成人後までの長期間にわたり、産科、
小児科、口腔外科、形成外科、矯正歯科、耳鼻科、言語聴覚科などの専門家の
チームにより治療が行われます。
口唇口蓋裂センターとして、これらを専門に治療する施設もあります。

治療は、病状により哺乳類床の作製、術前矯正などが手術前より開始され
ます。
口唇裂初回手術は体重6kg、口蓋裂は体重10kgで行う施設が多いです。

その後、言語治療など成人に達するまでの集学的治療が必要です。


また最近では、妊娠前から貧血のスクリーニング、葉酸の服用などによって、
この病気をもって生まれてこないようにする試みが、全国の主要大学病院を
中心に行われています。



<病気に気づいたらどうする>
出生前診断で告知を受けたあとのカウンセリング、哺乳指導などが、特定
非営利活動法人日本口唇口蓋裂協会などを中心に行われています。



(執筆者:夏目長門)



http://health.goo.ne.jp/medical/search/10D11000.html


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[備考]


葉酸以外にも、
 ・ビオチン
 ・鉄
など、様々な栄養障害(栄養素不足)が口唇口蓋裂と関係しているのでは
ないかと考えられてきています。


栄養療法を実践したからと言って、口唇口蓋裂児を完全に予防できるわけでは
ありませんが、リスクを減らすことが可能だと思います。



(横山歯科医院・横山哲郎)


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