シエスタとは

[シエスタ]

(Wikipedia)


シエスタ(Siesta)は、スペイン語で昼寝(午睡)のことである。
または、スペイン語圏を中心に生活習慣として社会的に認められている昼寝を
含む長時間の昼休憩(13:00~16:00が目安)を指す言葉である。

午睡の習慣は中国・インド・ベトナムなどの熱帯・亜熱帯地域や地中海性
気候である地中海沿岸のギリシャ・イタリア・中東・北アフリカでも一般的に
見られるが、本稿では、スペイン本国を中心にスペイン語圏における事象
のみを扱う。



<典型的なライフスタイル>
伝統的なスペインの昼食の時間は日本よりも遅い。

しっかりした食事を摂った後に午睡となる。
昼下がりの時間帯がシエスタ時間である。
この時間帯(午後3時頃)は商店、企業、官公庁などの多くが休業時間と
なっており、しばしば事情を知らない外国人旅行者が戸惑うことになる。

オフィスワークの場合、シエスタの後は再び仕事に戻る。

昼食と同様、夕食も日本よりも遅く、したがって就寝時刻も遅い。

しかし、朝は早い。

つまり、シエスタをするからといって睡眠過多にはならない。
トータルの睡眠時間は、シエスタなしのライフスタイルと大差ない。


EU統合によって、北の諸国の習慣にあわせてシエスタの慣習を廃止する
傾向がみられる。
例えば、2006年1月1日よりスペインの公務員についてはシエスタ制度が
廃止された。



<シエスタの効用>
一般的に人間のサーカディアンリズムは、午前中は上昇、正午頃をピークに
して午後2~3時ごろにかけて活性が低下する。
午後4時すぎに再び上昇に転じて数時間活性化した後、就寝時間に向けて再び
低下、就寝中の深夜2~3時に最低となる(健康的な朝型生活の人の場合)。

心身の活性が低い午後の2~3時を睡眠時間にあてることは合理的な行動で
ある。

この時間帯は交通事故が起こる頻度も上昇する。



<日差しを避ける>
スペイン人は伝統的には日差しを憎む傾向がある。
ドイツ人や北欧諸国の人々のように太陽に強く憧れる傾向は極めて薄い。

これはシエスタ習慣(昼下がりの睡眠が日没後の活動時間を延長させる)との
関連性が指摘されうる民族性である。

スペインでは日差しを回避するために、以下に述べるような独自の習慣が
ある。

屋外競技の観客席は、試合中終始日陰になっている席(ソンブラ)が最も
高く、試合途中から日陰になる席が次に高く(ソル イ ソンブラ)、試合中、
終始日向の席(ソル)が最も安い(このような席料の違いは、昼間に開かれる
闘牛でよく見られる)。
このように日差しと席料に相関がある。

そのため、全ての席が「日陰」となる日没後に収益性が最も高くなることから
プロサッカー(リーガ・エスパニョーラ)の場合、日曜日であっても22時
からのキックオフとなることがある(スペインは緯度が高いこと、中央
ヨーロッパ時間を採用していること、サマータイムを採用していることから
夏季は約2時間実際の時刻より早いため、日没の時刻は遅い)。

また、選手の方も炎天下での試合は疲労が強くなるため、日没後の試合を望む
傾向がある。

日差しが差し込む南向きの店舗は好まれない。
日陰となる北向きの店舗の方が賃料が高い。

ただし、外国人旅行者(ドイツ人など)はスペインに強い日差しを求めて
やってくるため、保養地では南向きの店舗の方が高い。





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