長時間座る女性は肺塞栓リスクが2倍 女子アスリートも

[長時間座る女性は肺塞栓リスクが2倍]

(HealthDay News  2011年7月5日)


日常的に長時間座っている女性は、肺に致死的な凝血塊のできるリスクが
2~3倍であることが、新しい研究で明らかにされた。
「今回の研究は、非活動的な生活習慣が肺塞栓リスクを高めることを初めて
明らかにしたものである」と研究グループは述べている。


肺塞栓は、下肢(脚)の深部静脈に形成された血栓が、血液とともに肺へ
運ばれることによって生じる。

突然の呼吸困難、激しい胸痛、出血を伴う咳などの症状のほか、過剰な発汗、
失神、弱脈などがみられる。


研究は、米国の女性看護師6万9,950人を対象に18年間追跡したもので、
2年ごとに生活習慣に関する詳細を提供してもらった。

ほとんどの時間を座って過ごしていた群(勤務時間を除き週41時間以上)は、
座っている時間の最も少なかった群(勤務時間を除き週10時間未満)に比べ、
肺塞栓の発症リスクが2倍であった。

年齢、喫煙およびボディ・マス・インデックス(BMI)などの因子を考慮
しても、運動レベルと肺塞栓リスクの関連は決定的なものであったという。

このほか、活動性の低さと高血圧、心疾患との関連も認められており、運動
不足が動脈疾患と静脈疾患を結び付ける隠れた機序の1つである可能性が
示された。

研究著者である米マサチューセッツ総合病院(ボストン)のChristopher
Kabrhel博士は「体を動かすことを奨励する公衆衛生キャンペーンを実施する
ことによって、肺塞栓の発生率を軽減することができる」と結論付けている。

研究は、英国医師会誌「BMJ」オンライン版に7月4日号に掲載された。

カナダ、マックマスターMcMaster大学(オンタリオ州)のJames Douketis
博士らは同誌の付随論説で、「今回の知見は、長時間動かないことが静脈の
血栓塞栓症(肺塞栓または深部静脈血栓)リスクを高めるとの考えを補強
するとともに、それが日常生活の中でどのように起こるかを明らかにする
ものだ」と述べ、「リスクは小さいものの(10,000人-年あたり7人の
増加)、公衆衛生上、大きな悪影響をもたらす可能性がある」と指摘して
いる。

別の専門家は、長時間飛行機に搭乗したオリンピック選手が深部静脈血栓と
肺塞栓症を発症した例や、テニスのセレーナ・ウィリアムス選手が肺塞栓症を
発症した例を挙げ、因果関係は不明であるものの、8時間を超える長時間の
フライト前にはベビーアスピリン(アスピリン80~81mg錠)を服用する
ことを勧めている。



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