コーヒー依存症は遺伝子によって決まる

[コーヒー依存症は遺伝子によって決まる]

(HealthDay News  2011年4月6日)


コーヒーを多量に飲む人とそうでない人は、2つの特異的な遺伝子によって
決まることが新しい研究で示された。

研究著者の1人である米国立癌研究所(NCI)の Neil Caporaso博士は、
「喫煙およびアルコール消費など、多くの行動に遺伝子が大きく関与して
いる。カフェイン消費についても同様であることが今回明らかにされた」と
述べている。


問題となる2つの遺伝子は、「CYP1A2」および「AHR」。
CYP1A2は以前からカフェインの代謝プロセスとの関連が認められており、
AHRはCYP1A2 の活性を調節する作用をもつ。


オンライン医学誌「PLoS Genetics(遺伝学)」に4月7日掲載された今回の
研究によると、カフェインを消費する米国成人の10人中8人以上がコーヒーを
飲んでいるという。
カフェインは世界的に最もポピュラーな精神活性物質であり、世界人口の
90%が何らかの形でカフェインを消費している。


今回の研究は、米国およびヨーロッパの4万7,000を超える家系を対象に
1984~2001年に実施された5研究のメタアナリシス(分析)により、
各被験者のカフェイン消費について検討した。
その結果、CYP1A2またはAHR遺伝子のいずれかに「高消費」遺伝型をもつ
人は、「低消費」遺伝型の人に比べてカフェイン摂取量が40mg多いことが
判明。
これは、炭酸飲料1缶またはコーヒー3分の1杯に相当するカフェイン量で
あるという。


「この研究で同定された遺伝子は、カフェインの代謝だけではなく、癌
(がん)の構成成分やさまざまな薬剤の代謝にも関与することから、多数の
代謝プロセスに対する影響を調べる遺伝子マーカーとなるものだ」と
Caporaso氏は指摘している。

米オクラホマ大学(オクラホマシティー)教授のJohn J. Mulvihill博士は
「カフェインに対する感受性が、薬剤によって患者に望ましくない影響が
生じる可能性を示す手掛かりとなる可能性がある」とし、「今回の研究は
個人に合わせた個別化医療への新たな一歩となるものだ」と述べている。




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