テスト直前に必ず風邪をひく子供がいる ちんたら運動がお勧め

[ストレスは免疫力の大敵 避難所でも適度な運動を]

(産経新聞  2011年4月4日)


「ストレスを抱え込まず適度な運動を」−。
東日本大震災による避難所暮らしが長く続くと、見えないストレスが蓄積
されていく。
しかし、がんやウイルスを破壊する働きのあるNK(ナチュラルキラー)
細胞はストレスが大敵で、免疫システムの機能低下を招く。
「震災ショックを真正面から受け止め、『〜ねばならない』と自ら追い込む
人ほど要注意」と専門家は警鐘を鳴らす。
(日出間和貴)


<ちんたら運動>
「期末テストの直前になると、必ず風邪をひく子供がいる。極度のストレスに
さらされることでNK値が下がることが原因。言い換えれば、免疫力が落ちて
病気になりやすい体質になるということ。落ち込んでいる人の隣に長くいる
だけでもNK細胞の働きが鈍る」

こう指摘するのは、順天堂大の奥村康教授(免疫学)。
近著『腸の免疫を上げると健康になる』で、「NK細胞が集中する腸を制する
ことが健康を制する」と力説する。


NK細胞の働きを左右するのは、正しい生活習慣と心の持ち方だ。
  (1)加齢
  (2)昼夜逆転の生活リズム
  (3)悲しみを伴うストレス
の3つが“大敵”となる。

NK活性を運動との関係で見ると、運動後、リバウンドで下降曲線を描いて
いく。
最も下がった谷間の付近で、風邪などの感染症にかかりやすくなるという。

心臓発作などのアクシデントは朝方に起きやすい。
これは、ホルモンのバランスが整う前に急激に体を動かすことが原因だ。

「特に高齢者は朝から急激に体を動かすのではなく、午後から運動を始めると
いい。掃除、洗濯、料理といった家事のように、体をこまめに動かす
『ちんたら運動』を心掛けることが理想的」と奥村教授。



<ストレッチ>
一方、避難所暮らしを強いられる高齢者は、どうしても運動不足に陥りがち
だ。

「日本登山医学会」(千葉市稲毛区)では、避難所に住む高齢者向けに運動
機能維持のための運動やストレッチを提案する。
狭い場所での生活が続くと血流が悪化し、血栓が肺の血管を詰まらせる
「エコノミークラス症候群」(肺塞栓症)を引き起こす。
同会では、予防策として座ったままできる腰と背中のストレッチや、片足立ち
運動を勧めている。


奥村教授によると、NK活性は20代をピークに加齢に伴って下降していくが、
逆に年齢が高くなるほど増加する傾向にあるのが、発がん率だ。
両者の間には相関関係が見られるという。


余震による揺れが不安をあおる避難所暮らし。
先の見えない環境下にあっても、適度な運動と休息でNK活性の維持に努める
ことが、がんなどの病気と闘う“下準備”になりそうだ。




http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110404-00000063-san-soci




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