糖尿病治療薬メトホルミンがビタミンB12欠乏症に関連

[メトホルミンがビタミンB12欠乏症に関連]

(HealthDay News  2010年5月21日)


2型糖尿病治療に広く使われているメトホルミンはビタミンB12欠乏症発症に
関連しており、同薬を長期服用している患者では定期的な検査を行うべきとの
知見が、英国医師会雑誌「BMJ」オンライン版に5月21日掲載された。

(注)メトホルミン:ビグアナイド系糖尿病治療薬。
   商品名は「メトグルコ」「メルビン」「グリコラン」など。


オランダ、マーストリヒト大学医療センター内科学教授のCoen Stehouwer
氏らは、インスリン治療を受けている2型糖尿病患者390例にメトホルミン
(196例)またはプラセボ(194例)のいずれかを処方し、1日3回4年間
以上服用させて、メトホルミン服用の影響を検討した。

その結果、メトホルミン群ではプラセボ群に比べ、VB12値が19%低下して
いることが分かった。

プラセボ群のVB12値にはほとんど変化はなかった。

VB12の低下傾向はメトホルミン服用期間中継続し、長期になるほどより
顕著になっていた。
検討期間中にVB12欠乏症の患者数は3人から19人へと増加した。


「VB12欠乏症の症状には疲労や精神状態の変化、貧血やニューロパシー
(神経障害)などがあるが、ビタミン値の検査を怠ると、医師はこうした
症状を正しく診断できず、糖尿病や加齢によるものと誤って解釈してしまう
ことになりかねない」とStehouwer氏は警告している。


同氏は「メトホルミン誘発のVB12欠乏によって、患者に何らかの害が及ぶと
考えられなくはない。メトホルミンを長期投与している場合にはビタミン値の
検査を定期的に行う必要がある」と結論している。





No tags for this post.
カテゴリー: え栄養医学, と糖尿病(DM), ひ疲労, や薬剤・薬学 パーマリンク