低血糖でも高い脳卒中の危険 神戸の医師らが調査

[低血糖でも高い脳卒中の危険 神戸の医師らが調査]

(神戸新聞 2010年4月7日)


生活習慣が主な原因となる2型糖尿病で動脈硬化が進行した患者は、血糖値が
高すぎるだけでなく、低すぎる場合でも、脳卒中や心筋梗塞などになる
危険性が高まることが、江原夏彦・神戸市立医療センター中央市民病院医師
(循環器内科)らの調査で分かった。

国内で患者の血糖値を比較した大規模な追跡調査はほとんど例がなく、近く
米医学誌で発表する。


血糖管理の目標値は、日本糖尿病学会が治療指針で、過去2カ月間の平均的な
血糖値を反映する「ヘモグロビンA1c」を6.5%未満で管理するよう推奨。
健康な人の値は5.8%が上限とされる。


江原医師らは、動脈硬化が進行し、2000年〜2002年に国内で狭心症の手術を
受けた患者約3,600人を追跡調査。
そのうち糖尿病のある患者を「ヘモグロビンA1c」の値によって4グループに
分け、糖尿病のない患者と脳卒中や心筋梗塞の発生率を比較した。

その結果、ヘモグロビンA1cが6%以上7%未満のグループは、糖尿病のない
患者と大差はなかったが、7%以上で発生率は高まった。


一方で6%未満のグループも、糖尿病のない患者に比べて約1.6倍発生率が
高かった。


江原医師によると、血糖値が下がりすぎる「低血糖」になると、ストレスを
感じたときに活性化される交感神経の働きで心拍数が上がる。
このため、もともと傷んでいた血管に、ダメージを与えることが考えられると
いう。

ただ、江原医師は「今回の結果はあくまで動脈硬化が進行した患者で、年齢
など背景のばらつきもある。低血糖にも注意すべきだが、血糖値を下げると
いう治療の大前提は変わらない」としている。



(鎌田倫子)



http://www.kobe-np.co.jp/news/kurashi/0002847672.shtml






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