歯は健康 でも痛む・・・顔の筋肉・関節関連も

[歯は健康 でも痛む・・・顔の筋肉・関節関連も]] (読売新聞  2010年3月18日) 歯の痛みで、歯科医院に駆け込んだが、虫歯も歯周病も見つからない。 原因不明と言われ、痛みに苦しむ人がいる。 実は、歯が痛いからといっても、必ずしも歯が悪いわけではない。 (中島久美子) 東京都の主婦A子さん(74)は10年以上前から、四六時中、右上の歯と 歯茎のあたりから、頭のてっぺんまでどーんと突き上げるような鈍い痛みに 苦しんできた。 食事をするとひどくなる。 虫歯や歯肉の炎症はなく、エックス線写真でも異常はない。 評判を聞いてはいくつもの歯科医院を受診し、計4回、右上のブリッジ( 差し歯)を作り直したが、痛みは治まらなかった。 2007年夏、A子さんは日本大学歯学部病院(東京都千代田区)を受診。 歯の痛み(ペイン)を専門とするペインクリニック科での問診や触診で、 「噛むときに使う筋肉の緊張が原因です」と初めて言われた。 半信半疑で教えられた筋肉をほぐすストレッチを1か月ほど続けたところ、 ウソのように痛みが消えた。 「今は、大好きなフラダンスの練習も、仲間とのおしゃべりも楽しめます」と 笑顔を見せる。 痛みを招いたのは、無意識のうちに常に口を噛みしめている癖だった。 弱い力でもかみ続けると、顔や首、肩にあるかむ時に使う筋肉が常に緊張し 疲労した状態になる。 すると、周辺の神経が、痛みとして受け止め、その情報を大脳に伝える。 ところが、大脳は筋肉だけではなく、歯からの痛みと勘違いして受け取って しまうことがある。 咀嚼筋の痛みを伝える神経と、歯の痛みを伝える神経は、後頭部の延髄という 場所で合流しており、混線してしまうことがあるからだという。 同病院ペインクリニック科教授の今村佳樹さんは、「歯が痛いと訴える患者 さんの痛みの様子をしっかり聞き、顔の周辺の筋肉や神経の状態を確かめ れば、歯以外の部位に痛みの原因が見つかることがある」と話す。 痛みの原因がある部位とは別の場所で感じる、こうした痛みを「関連痛」と いう。 A子さんのような顔や肩の筋肉の疲労による痛み「筋筋膜痛症候群」を はじめ、顎の関節のずれや変形などで痛みが起こる「顎関節症」、顔の表面に 突発的にピリピリした痛みが走る「三叉神経痛」などは、歯に痛みを感じる ことがあるという。 歯に起こる関連痛は一般の歯科医での対応は難しく、「異常がない」と 言われて歯科医院を転々とするケースもある。 大学病院を中心に口の中や顔の痛みを「口腔顔面痛」と総称し、専門的に 診療する外来で対応している。 今村さんは、「原因を突き止めれば、適切な治療で改善できるのに、歯科医も 患者さんも歯が悪いと思いこみ、虫歯でもないのに歯を抜いてしまう残念な ケースもあります」と指摘。 (1)歯が痛むが、虫歯や歯茎の炎症がない (2)虫歯や歯周病などの治療後も3か月以上痛みが続く といった場合、専門外来の受診を勧める。 http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=22322
カテゴリー: が顎関節症, こ口腔顔面痛(OFP), た態癖/生活悪習癖, は歯ぎしり(ブラキシズム),  非歯原性疼痛 タグ: , パーマリンク