男児、ポリオ発症 神戸、ワクチン未接種

[男児、ポリオ発症 神戸、ワクチン未接種]

(朝日新聞  2010年2月19日)


神戸市は18日、市内に住む生後9カ月の男児が昨年12月にポリオ(小児
麻痺)を発症し、左足が麻痺したと発表した。
男児はワクチン接種を受けておらず、予防接種を受けた他の乳幼児の便など
から感染した可能性があるという。

厚生労働省も近く、おむつの処理に気をつけるよう、注意喚起する方針だ。


市や厚労省によると、ポリオは便を通じて感染する。
自然に感染した例は国内では1980年を最後に確認されていない。

ただ、ワクチンは弱毒化したウイルスを使うため、ワクチンを受けた人が
ごくまれに発症することがある。
ワクチンに由来する感染報告は2006年以降、全国で3件あるという。

また、ワクチンを受けた人の便を通じて、家族ら周囲に2次感染することも
ある。
1998年と2000年にはともに1歳未満の女児から30代の父親に感染。
ともに女児の便からワクチン由来のウイルスが検出された。


神戸市では毎年5月と11月、3カ月〜1歳6カ月の乳幼児を対象にワクチンの
集団接種を実施している。

今回感染した男児は体調を崩して昨年11月の集団接種を受けていなかったと
いう。


野本明男・東京大学特任教授(ウイルス学)は「今回の発症例は、ポリオ
ワクチンを受けた子どもの便から感染した可能性が高い。ほかの子どもは
ワクチンを受けていれば仮に感染しても発症することはまずない。だが、
ワクチンを受けていない子どもがいると発症の危険があるので、みなで一斉に
受けることが大切だ」と話している。




http://www.asahi.com/health/news/OSK201002180216.html





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