[天気とからだ(2)心筋梗塞 気圧が関係?]
(読売新聞 2009年9月23日 )
気温が下がると、健康な人でも血圧が高くなる。
横浜市立大特任教授(情報システム予防医学)の杤久保修さんは「気温が
下がると血管が収縮し血圧が上がる。冬は夏より脳卒中や心筋梗塞を起こし
やすい」と注意を促す。
杤久保さんらが、男女45人(50歳以上)の血圧を、季節ごとに日を決めて
24時間測定したところ、冬の収縮期血圧は夏より8.7高かった。
また、横浜市の脳卒中による救急搬送件数を調べると、1月は8月より約3割
多かった。
杤久保さんは「血圧が上がると血流が速くなって血栓(血液の塊)が心臓や
脳の血管に飛びやすくなり、詰まる恐れが高まる」と話す。
一方、広島県医師会は、天気予報に基づき、「心筋梗塞・脳卒中予報」を、
インターネットで毎日、公開している。
広島県内の過去3年の救急搬送の状況から、1日の平均気温が6度未満に
なると、6度以上の時より心筋梗塞の患者の搬送件数が増えることが
分かった。
これに加え、平均気圧が1,013ヘクト・パスカル未満だと、より搬送患者が
多くなった。
また、気温と気圧にかかわらず、寒冷前線が通過する時なども患者が多かった。
こうした結果から、心筋梗塞では「警戒(危険大)」「注意(危険中)」
「普通(危険小)」の3段階で予報。
また、脳卒中については、気圧との関連が見られなかったため、平均気温が
9度未満は「注意」、9度以上の日は「普通」としている。
同医師会常任理事で循環器内科医の松村誠さんは、「心筋梗塞と気圧がなぜ
関係しているのか、理由はよく分からない。予報を参考に、冬は防寒を
しっかりし、胸が苦しいなどの体調の変化が出たら、すぐに救急車を呼ぶ
ようにしてほしい」と話している。
<心臓病や脳卒中を防ぐために心がけたいこと>
・暖かい室内から寒い室外へなど、いきなり気温が低いところに行かない
・起床時は血圧の変化が大きく、ゆっくり体を起こす
・入浴前や就寝前には1口か2口の水分をとり、体の水分不足を防ぐ
(杤久保修さんによる)
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/plus/20090923-OYT8T00228.htm