歯肉マッサージの勧め

[歯肉マッサージの勧め]

(あなたの健康百科)


<歯肉炎を予防・改善><歯垢除去後に軽く刺激>
歯の健康を保つには、粘着性の細菌層であるプラーク(歯垢)を取り除いた
上で、歯肉マッサージをすると効果的。
福岡歯科大学口腔保健学講座の埴岡隆教授は「毛先の柔らかい歯ブラシで、
歯の根元付近の歯肉を軽く刺激するのがコツです」と話す。



<血流・代謝を促進>
歯肉は健康なときは薄いピンク色で、歯肉内部の毛細血管では、酸素や栄養の
補給と代謝産物の排せつが活発に行われている。
歯肉マッサージは、歯肉の表面を丈夫にし、血流を促進して代謝を促す狙いが
ある。

歯肉に限らず、組織の酸素充足度は、血管を流れる赤血球中のヘモグロビンに
酸素が結合している割合(酸素飽和度)を特殊な装置で測定して推定できる。


埴岡教授らは、実験的に歯周病を起こさせたイヌの歯肉の酸素充足度を
調べた。
その結果、健康なときに比べて約10%低下するが、歯周病治療を行って歯肉の
炎症が治まると、元の状態に回復することを確認した。
「炎症を起こした歯肉では、酸素の需要と供給が共に増加しますが、供給が
需要に追いつかず、酸素不足の状態でした」と埴岡教授。



<市販の歯ブラシで可>
そこで、歯肉の酸素充足度を歯肉炎の指標として、イヌを用いた実験で歯肉
マッサージの効果を調べた。
歯ブラシの毛先で歯の周りの歯肉に振動を加えると、歯肉の酸素充足度が
約5%上昇し、その効果が約30分持続した。

さらに、歯ブラシによる刺激を歯の根元部分まで拡大すると、歯の周囲だけを
刺激したときに比べて、より大きな効果が60分以上持続した。

また、プラークを除去後に歯肉マッサージを10日間継続した場合、歯肉炎の
改善効果が高まることが分かった。

歯肉マッサージは、1カ所当たり10〜20秒、肉を傷つけないように細かく
歯ブラシを振動させる。
市販の歯ブラシの多くは毛先が柔らかく処理されているので、使用できる。
シリコンゴムの音波ブラシを使うのもよい。

埴岡教授は「夜寝る前、念入りに歯磨きをしてプラークを除去した後、歯肉
マッサージをするといいでしょう。歯肉炎の予防や、歯周病治療後のケアと
して勧めます」と話している。




http://www.medical-tribune.co.jp/kenkou/200609081.html





No tags for this post.
カテゴリー: し歯周病, よ予防歯科 パーマリンク