ティーンエイジャーの菜食主義に摂食障害がマスキングされている

[ティーンエイジャーにおける菜食主義の暗い側面]

(HealthDay News  2009年4月1日)


健康に有益な菜食の根底に、実は摂食障害がマスキングされている可能性が、
新しい研究によって示唆された。

菜食を試みたことのない者に比べて、10代の菜食主義者(ベジタリアン)は
2倍、若年成人でも約2倍が、体重管理のためにダイエット薬や緩下薬
(下剤)、利尿薬、嘔吐誘発など不健康な手段を用いていたという。


米セント・ベネディクト・アンド・セント・ジョンズ大学(ミネソタ州)
栄養学部助教授のRamona Robinson-O’Brien氏らは「プロジェクトEAT-II:
10代の摂食」研究に参加した10代若者と若年成人2,516人のデータを収集。
被験者を現菜食主義者、元菜食主義者、菜食主義未経験者に分け、さらに
年齢によって10代(15~18歳)と若年成人(19~23歳)の2群に分けた。

各被験者にむちゃ食い、摂食コントロール喪失感の有無、極端な体重管理
手段の使用について質問した結果、10代では、菜食主義者の約21%が
不健康な体重管理手段を用いていたが、未経験者では10%であった。
若年成人では、元菜食主義者(27%)のほうが現菜食主義者(16%)や
未経験者(15%)よりもそのような手段を用いていた。

むちゃ食いや摂食コントロール喪失は、10代では現菜食主義者の21%、
元菜食主義者の16%が報告したが、未経験者は4%のみであった。
若年成人では、現菜食主義者(18%)が元菜食主義者(9%)や未経験者
(5%)よりも多かった。

若年成人の菜食主義者は未経験者に比べて過体重や肥満になりにくかった。
10代では、体重の統計学的有意差はなかった。


Robinson- O’Brien氏は「菜食主義者は一般的に過体重や肥満になり
にくいが、元菜食主義者では極端に不健康な体重管理、現菜食主義者では
むちゃ食いのリスクが増大する可能性がある。医師や栄養士は菜食の便益
だけでなく、リスク増大の可能性も認識しておくべきである」という。

米エール大学医学部予防研究センター(コネティカット州)所長のDavid
L. Katz博士は「菜食主義には暗い側面がある。思春期の若者が自ら菜食
主義を選ぶ場合、健康の追求よりも助けを求める信号である可能性がある
ため、その理由を明らかにすることが重要である」と指摘している。


研究結果は、米国栄養士協会(ADA)誌「Journal of the American Dietetic
Association」4月号に掲載された。




http://www.healthdayjapan.com/





No tags for this post.
カテゴリー: え栄養医学, せ精神科,  摂食障害 パーマリンク