高齢者の発声障害は見過ごされている

[高齢者の発声障害は見過ごされている]

(HealthDay News  2008年9月25日)


発声障害や嚥下障害のある高齢者の多くが、不安感、抑うつ、社会的
引きこもりなどの深刻な生活の質(QOL)の問題に悩んでいるにもかかわらず
治療を受けていないことが、米デューク大学メディカルセンター(ノース
カロライナ州)の研究で明らかになった。


80代の248人を対象とした調査の結果、20%に発声障害(しわがれ声、
声量低下ないし失声)があり、14%に嚥下障害(飲み込みの困難)がある
ことが判明。
また、55.9%が治療を受けることに興味を示しているにもかかわらず、
発声障害をもつ人の77.6%、嚥下障害をもつ人の79.4%が治療を受けたことが
ないことも判明した。
対象者の半数は、発声障害や嚥下障害を治療できることも知らなかったと
いう。

過去の研究からは、高齢者の約25%が、発声障害や嚥下障害を正常な
加齢現象の一部だと考えていることが示されている。
実際に障害のある人でもこのように考える人が多いため、単純に症状を
受け入れ、治療を受けようとしない人がいると思われると、研究グループは
述べている。

研究結果は、シカゴで開催された米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会
(AAO-HNS)年次集会で報告された。


研究著者のSeth Cohen博士は「研究結果から、一般社会およびプライマリ
ケア医に対して、さらに啓蒙を図る必要があることが浮き彫りにされた」と
述べている。
「現時点でわかっていることは、このような障害がQOLに重大な影響を
及ぼしていることと、適切な治療を受けることによって大幅な改善が見込める
ということである」と同氏はいう。




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