4色型色覚とは

[4色型色覚とは]

(Wikipedia)


4色型色覚とは色情報を伝えるために4つの独立したチャンネルを持つ状況を
いう。

4色型色覚を備えた生物については、任意の光に対して同じ知覚影響を与える
4つの異なる純粋なスペクトルの光の混合色を作ることができる。



<概要>
4色型色覚の通常の説明は、生物の網膜が異なる吸収スペクトルを備えた
4種類の「錐体細胞」を含むということである。

爬虫類や鳥類などは、4色型色覚をもつと考えられている。
これらの生物は、ヒトでいう赤錐体、緑錐体、青錐体のほかに、波長300~
330ナノメートルの紫外線光を感知できる錐体網膜細胞を持つ。

ただし、現在の爬虫類は3色型や2色型、または色覚を持たないものもある。


爬虫類から進化した哺乳類は、はじめはこの4色型色覚をもっていたが、
中生代の哺乳類は夜間の活動に適応するため「桿体細胞」が発達し、昼間活動
することが少なかったため4種類あった錐体細胞のうち2種類が失われ
紫外線を吸収できなくなり、2色型色覚となった。

実際イヌ、ネコ、ウシ、ウマなどの多くの哺乳類は、2色型色覚を持ち、
これらの生物は波長420~470ナノメートルの青い光を吸収する青錐体と、
緑から赤にかけての波長の光に対応した赤錐体しか錐体細胞を持っていない。
ゆえに、ヒトでいう赤緑色盲に類似した色世界に生きていることとなる。


その後、昼行性の霊長類では昼間に活動することが多くなったために、
X染色体上に存在する赤オプシン遺伝子(赤錐体関連の遺伝子)が重複して
変異を起こし、緑オプシン遺伝子が発生し、一部の赤錐体が特性を僅かに
変えることによって緑錐体が生じ、3色型色覚となったと考えられる。



<ヒトにおける4色型色覚>
前述の通り、ヒトや近縁の霊長類は通常3種類の錐体細胞を持ち、3色型
色覚であるが、 ヒトにおいては4種類の錐体細胞を持った4色型色覚の
女性が生まれうる。

世界の女性の2~3%は4色型色覚であると発表されている。

だが別の研究によれば女性で50%、男性で8%もの人々が4色の光色素を持つ
だろうという。

いずれにせよ、ヒトにおける4色型色覚の実態は解明しきれておらず、更なる
研究の進展が望まれる。


4色型色覚とされるヒトは英国では2人確認されている。
1人は1993年の研究で、”Mrs. M”と呼ばれるソーシャルワーカー。
もう1人は医師のSusan Hoganである。


世界中の人々の間での錐体色素遺伝子の変異は広範に及ぶが、最も一般的で
明確な4色型色覚は主要な赤緑色素の変異(赤色色弱)の女性キャリアと
考えられる。
これはX染色体の不活性化によって赤錐体が色弱でないものとそうでないもの
とが混合することで起こる。




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