カラーブラインドネス:誤解多い色覚異常

[誤解多い色覚異常]

(あなたの健康百科)


<軽度ならほとんど支障がない><周囲の人々も理解を>
色覚異常は、色に対する感覚が正常とは異なる病気で、異常の程度はさまざま
だが、ほとんどが遺伝による「先天性赤緑色覚異常」だ。

色覚異常には、世間の誤解が多く、就職などで不利を招く事態もある。

このため、本人が異常の実態を理解して適切に対応するばかりでなく、周囲の
人々の理解が欠かせない。


<赤と緑が似て見える>
色覚外来を設けている三楽病院(東京都)眼科の岡島修部長によると、先天性
赤緑色異常は、日本人では、男性の5%、女性の0.2%に見られる。
女性に少ないのは、X染色体劣性遺伝でX染色体が2つある女性の場合は、
発症しないで保因者になるケースが圧倒的に多いからだ。

色覚異常は、異常の程度がさまざまだ。
岡島部長は「色覚異常は、強度と軽度に大別すると、軽度の人の方が多いの
ですが、強度の人でも、赤と緑が似たような色に見える程度なのが実態です。
軽度になると、自分も周囲も、異常に気付かないこともあります」と言う。

このため、軽度の人は、日常生活ではほとんど支障はなく、
 (1)見る物が極端に小さいか、鮮やかさが足りない
 (2)周りが暗いか、ちらっとしか見えない
 (3)ぼんやりしているか疲れている
などの誘発条件があった場合に、色を間違うことがある程度だ。



<誘発条件の自覚を>
色覚異常は、原因が遺伝子の異常なので、現在のところ治療法はない。
このため、異常にどのように対応すればいいのかが問題になる。

「強度の人は、間違えやすい色が分かっているので、自分なりに対応でき
ます。しかし、軽度の人は、自覚症状がなくて、誘発条件があって初めて
異常が起こるので、まずそのことを自覚した方がいいのです」

色覚異常者にとって、1番問題なのは、職業の選択だ。
「時として色を間違えるという現実がある以上、あまり向かない職業がある
のは否めません。しかし、自分に向いた職業を選ぶことが大切であり、周囲の
人の理解があれば、選択肢は広がります。」

米国では、色覚異常があってもインテリアデザイナーになっている人もいる。
「色覚異常があっても、デザインはできるので、色に関してのアドバイスが
あれば問題ないわけです」

ところが、日本では、そこまでいっていないどころか、色覚異常の専門医さえ
少ないのが現状だ。

近くに専門医がいなくて困ったときには、色覚110番に相談してみるとよい。



http://www.medical-tribune.co.jp/kenkou/katei_sikikaku.html



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