ビタミンB12不足が高齢者の脳を萎縮させる

[ビタミンB12不足が高齢者の脳を萎縮させる]

(HealthDay News 2008年9月8日)


血液中のビタミンB12値が低い高齢者は、脳の萎縮や収縮リスクが増加する
ことが、英オックスフォード大学の研究で明らかになった。

脳の萎縮は、アルツハイマー病や認知機能障害と関連づけられている。


医学誌「Neurology(神経学)」9月8日号に掲載された研究では、ビタミン
B12値が低いと実際に脳萎縮が起こることは確認されてはいないながらも、
研究の共著者で同大学生理学、解剖学、遺伝学部の登録栄養士(RD)の
Anna Vogiatzoglou氏は「特に高齢者や菜食主義者、妊婦、授乳期の女性、
幼児など、B12の欠乏に弱い人たちは、B12の数値にもっと気をつけなければ
ならず、数値を維持するために、バランスがとれ、バラエティーに富んだ
食事を取るなどの措置を講じる必要がある」としている。

ビタミンの主な供給源は、肉や魚、牛乳、強化シリアルなどだが、研究者に
よると、ビタミンB12不足は、特に高齢者の間では、公衆衛生学上の問題に
なっているという。


研究は、開始時点では認知機能が正常だった61歳~87歳の被験者107人を
対象に、年1回の臨床検査、磁気共鳴画像診断(MRI)、認知テスト、血液
採取を行った。


研究開始時点でビタミンB12値が低かった被験者は、脳の容積がより減って
おり、B12値が最も低かった被験者は、最も高かった被験者と比較して、脳の
容積が6倍も減っていた。

また、興味深いことに、B12が不足していた被験者は1人もおらず、標準
範囲の中で数値が低いというだけのことだった。


今のところ、B12と脳の関連についての生物学的機メカニズムは解明されて
おらず、B12を増やすことで、脳の萎縮を防げるかも定かではない。


Vogiatzoglou氏は「現在、オックスフォードで、記憶障害もつ高齢者を対象に
B12を含むビタミンBを摂取してもらう臨床試験を行っており、ビタミンB類が
実際に脳の収縮を遅らせることができるのかを検討している。
試験は2009年に完了する予定だ」と述べている。




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