母子健康手帳は誰のもの・・・データ保管サービスを望む

[母子健康手帳は誰のもの・・・データ保管サービスを望む]


<母子健康手帳は誰のもの>
母子健康手帳の起源は妊産婦手帳制度なので、母親のものと思いがちで
しょうが、記録内容からして子どものためのものであると考えます。

しかし、少なくとも私達前後の世代では、母子健康手帳を自分自身
(子ども)が有効利用しているという話を聞いたことがありません。

特に重要なのは、水疱瘡(水痘・帯状疱疹ウイルス感染症)やおたふく風邪
(流行性耳下腺炎)、はしか(麻疹)等ほとんどの子ども達が通る流行
感染症の記録や、予防接種の記録ではないでしょうか。
最近のように予防接種の基準が数年ごとに変わる時代では尚更ではないで
しょうか。

たとえ几帳面なお母さんが丁寧に記録をつけていたとしても、転勤・引越しの
間に仕舞いなくすこともあるでしょうし、受験が忙しくなって子どもに渡し
そびれることもあるでしょう。


ツベルクリン反応での弱陽性(昔で言うところの疑陽性)を繰り返す人が
いますが、アレルギー体質と関係が深いことがわかってきました。
記録した当時には一見意味のないデータでも、後年医学の進歩によって意味を
持つかもしれないのです。



<データ保管サービスを望む>
健康に関心がある業界団体あたりが、データ登録&保管のネットサービスを
始めないでしょうか。
1社では倒産や合併の可能性があるため、やはり業界団体が望ましいのでは
ないでしょうか。
サービスを開始すれば50年、100年データ管理をしてもらわなければなりま
せん。

一方、サービスが軌道に乗れば、数十万〜数百万人が利用することも考え
られますので、その広告収入で充分維持管理費を捻出できることでしょう。

小学校低学年までは保護者が、高学年〜中学生は親子で、高校からは子どもが
データ入力すれば、貴重なデータ財産が親から子どもへ移譲できるのでは
ないでしょうか。


「母子健康手帳」という名前も良くありません。
母が先にあるので、母親の物と勘違いしてしまうのです。
「ジェネレーションパスポート」とかネーミングも再考してもらいたいもの
です。



(横山歯科医院・横山哲郎  2008年09月07日)




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