身元不明の鑑定で、最も不正確なのは、親族による確認

[身元不明死体の鑑定] (法医学のセミナーより)(2008年) 身元不明死体の鑑定で、最も不正確なのは、親族による確認と所持品照合で あると言う。 ・変死の場合、顔が変形する。親族による誤確認が多い ・顔を正視できない親族が多い ・状況説明で、身内と思い込んでしまう場合が多い ・所持品が犯人の落とした物だった ・所持品が第3者の落とした物だった 一方、身元不明死体の鑑定で、最も正確なのは指紋照合であり、2番目が歯型 照合だそうだ。 ある焼死体が見つかった。 その近辺で寝泊まりしていた人だとの目撃証言がたくさんあった。 縁戚者が遺体を引き取り葬式を出した。 葬式後、その死んだとされた人が戻ってきて大騒ぎになった。 遺体は焼死体なので、指紋照合が出来なかった。 2番目に正確な歯型照合をすればよかったのであるが、地元警察が焼死体では 歯型照合ができないとの間違った判断をして、目撃証言だけに頼ってしまった のだ。 (横山歯科医院・横山哲郎) ————————————————– (注) 現在であれば、最も正確な鑑定はDNAということになるのでしょう。 但し、採取者のDNAが検体(容器)に混入してしまい、身元不明死体と 親族とは無関係と判定されてしまう可能性は否定できません。
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