股関節骨折が世界的に大発生の兆し

[股関節骨折が世界的に大発生の兆し] (HealthDay News  2006年6月16日) 加齢による骨粗鬆(しょう)症の増加に伴い、世界的に股関節骨折がまん延 する危機が迫っているという見解が英医学誌「Lancet」6月17日号に掲載 された。 オーストラリア王立ノースショア病院のPhilip Sambrook博士および英 サウサンプトン大学のCyrus Cooper氏らによると、発症率が変わらなければ 2050年には世界で630万人が股関節骨折を来すと推定され、仮に発症率が 毎年1%増大すれば、 2050年には患者数は820万人に上る。 しかし適切な予防策をとれば、この傾向を覆すことができるという。 米ニューヨーク大学関節疾患専門病院のJoseph Fetto博士によると、体内の カルシウム量は比較的若い時期(20歳代)にピークに達することがわかって おり、現在の若年層が食事や栄養補助食品(サプリメント)からカルシウム、 マグネシウム、亜鉛およびビタミンDを十分に摂取すれば、股関節骨折の まん延を防ぐことができると考えられる。 骨粗鬆症による骨折の治療コストは安くはない。 1997年の全世界での股関節骨折の治療費用は、推定で1,315億ドル(約15 兆円)に上った。 より最近の数値では、米国で年間200億ドル(約2兆3,000億円)、欧州連合 (EU)諸国で300億ドル(約3兆4,500億円)と推定されている。 これは入院や股関節置換術による部分が大きく、Fetto氏によると、米国で 毎年25万~30万例の股関節置換術が実施され、年間約150万例の股関節骨折が 治療されているという。 この数は、薬剤による骨量低下予防などの代替治療を利用すれば減少可能と いう専門家の指摘もあり、また、小さな骨折を迅速に治療すれば大きな骨折 リスクを減少できるという。 米国整形外科学会(AAOS)などの医療団体は現在、小さな骨折への迅速な 治療を徹底するためのプログラムを作成中とのこと。
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