偏食から味覚障害に

最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学 テーマ: 『本当は怖い偏食〜消失〜』 K・Sさん(女性)/32歳(発症当時) OL(役員秘書) 一流商社に勤めるK・Sさん(32歳)は、社内でも期待の若手リーダーと 目されるI常務の秘書。 大規模な社内改革を進めるべく激務をこなす常務のために、少しでも力に なれればと頑張っていましたが、忙しい昼間は簡単な食事で済ませてしまい がち。 一人暮らしのせいで、家でも偏った食事が続いていましたが、最近、何故か やたら目が疲れるように。 その後も、さらなる異変が彼女を襲います。 <症状> (1)目の疲れ (2)肌荒れ (3)味が薄く感じられる (4)爪が割れる (5)味がしない <病名>味覚障害 <なぜ、偏食から味覚障害に?> 「味覚障害」とは食べ物の本来の味を感じることができなくなる病気。 治療が遅れれば、味覚を失い、味を感じることのない生活を一生送らなければ ならないこともあるのです。 患者数は年々増え続け、なんと年間22万人が発症すると言われる、まさに 現代病の1つ。 その最も大きな原因は、毎日の食事内容。 そう、K・Sさんの場合、あの偏食が病を引き起こしていたのです。 忙しさも手伝って、いつも手軽な出来合いのものばかり食べていたK・Sさん。 そんな食生活を長期に渡って続けたため、ある重要な栄養素が決定的に足り なくなっていたのです。 その栄養素とは、亜鉛。 亜鉛は、牡蠣や豚レバーなどに多く含まれているミネラルの一種。 細胞の新陳代謝全般に関わり、人が生きていく上で欠かすことのできない 重要な栄養素です。 偏食により亜鉛が欠乏した結果、K・Sさんの全身には様々な症状が現れ ました。 しかし、それらの症状は痛みを伴うわけでもなく、それほど重症化することは ありません。 本当に恐ろしいのは、味覚に現れる異常なのです。 そもそも味覚には、基本となる甘味、苦味、酸味、塩味という4つの味が あり、それらの味は舌の表面の溝にある「味蕾」と呼ばれるセンサーで感じ られるようになっています。 ところが亜鉛不足になると、味蕾の新陳代謝が進まず、その機能が低下。 正確な味を感じることができなくなるのです。 そのためK・Sさんは、「味が薄く感じられる」という症状に襲われました。 そして大量に調味料などで味を濃くするようになっていったのです。 にもかかわらず、忙しさにかまけそのままにしてしまったK・Sさん。 病は徐々に進行し、ついには味蕾そのものが消滅。 ケーキを食べてもただのスポンジとしか感じることができないほどに、味覚が 消失してしまったのです。 K・Sさんは治療を受けたものの、その味覚が完全に戻ることはなく、一生 食事を楽しむことができなくなってしまいました。 半年以上放っておくと、味覚が完全に元に戻る人は、半分もいないと言われる この病。 だからこそ、早期発見が何よりも大切なのです。 「味覚障害にならないためには?」 (1)バランスの良い食生活が大切です。 (2)特に1人暮らしの方は要注意。 以前より調味料が増えたり、味が薄く感じるなどの症状があれば、 迷わず病院で検診されることをお勧めします。 http://asahi.co.jp/hospital/                  No tags for this post.
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