ウェゲナー肉芽腫症(多発血管炎性肉芽腫症)とは

[ウェゲナー肉芽腫症(多発血管炎性肉芽腫症)(公費対象)]

(難病情報センター)



<ウェゲナー肉芽腫症とは>
この病気は、1939年にドイツの病理学者であるWegener博士が、鼻と肺の
肉芽腫を認め、同時に全身の血管炎と壊死性半月体糸球体腎炎を示した
3剖検例を発表し、世界で初めて独立した疾患として報告されました。
そこで、発見者の名前をとってWegener(ウェゲナー)肉芽腫症と呼ばれる
ようになりました。

発熱、全身倦怠感、食欲不振などの炎症を思わせる症状と、鼻、眼、耳、
咽喉頭などの上気道および肺、腎の3つの臓器の炎症による症状が、1度に
あるいは次々に起こってきます。

その原因は、今のところわかっていませんが、全身の血管の炎症による病気
(血管炎)の1つで、免疫の異常が病気の成り立ちに重要な役割を果たして
います。



<この病気の患者さんはどのくらいいるのですか>
難病の申請をされている方は、1,511名(平成20年度末)ですが、申請をして
いない方、医療機関に受診していない方を含めると、これ以上の人がこの
病気をもっていると推定されています。

この病気は、北ヨーロッパの白色人種の人に多いといわれていますが、日本に
おいては地域差などはみられていません。
また、特別な環境が病気の発症に関係しているという証拠は見つかって
いません。



<この病気はどのような人に多いのですか>
男女比は1:1で明らかな性差は認められていません。

推定発症年齢は男性30~60歳代、女性は50~60歳代が多いようです。



<この病気の原因はわかっているのですか>
はっきりした原因は現在のところわかっていません。

最近、この病気の患者さんの多くの方の血液中に抗好中球細胞質抗体
(ANCA)という自己抗体を持っていることがわかってきました。
ウェゲナ-肉芽腫症の患者さんには、ANCA の中でもC(PR-3)ANCAという
自己抗体が特異的に見出され、病気の発症や進行に深く関わっていることが
考えられています。

すなわち、C(PR- 3)ANCAが、風邪などの上気道感染の後に炎症によって
産生されたサイトカインとともに好中球を活性化し、各種の悪害因子を放出
し血管炎や肉芽腫を起こすと見なされています。

上気道の感染をきっかけにこの病気が発病したり、細菌感染により病気が
再発したりすることが多く、感染症が病気の増悪因子として注意する必要が
あります。



<この病気は遺伝するのですか>
欧米では特定の遺伝子(HLA抗原)をもつ人に発症しやすいとの報告が
ありますが、わが国では特定の遺伝子(HLA抗原)との関連は見出されて
いません。

ただ、この病気を含め自分自身の体の成分に対して免疫が起こる病気(自己
免疫病)では、親族に同じ様な病気が多くみられる家系があります。

しかし、それがはっきりした遺伝子によるものかどうかは正確にはわかって
おりません。



<この病気ではどのような症状がおきますか>
発熱、
食欲不振、
倦怠感、
体重減少、
膿性鼻漏、鼻出血、
難聴、耳漏、耳痛、
視力低下、眼充血、眼痛、眼球突出、
咽喉頭痛、嗄声、
血痰、咳嗽、呼吸困難、肺浸潤、
血尿、乏尿、浮腫、
紫斑、
多発性関節痛、
多発神経炎、


http://www.nanbyou.or.jp/entry/48


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*傷病名変更に伴い修正(2017年11月)


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